どうも!ブランドクリエイターの中江です。
「ブランディング デザインって何?」「ブランディング活かすためのデザインってどうやって作るの?」という人は意外と多いんじゃないでしょうか?
ブランド構築ということを考える時、デザインというのは欠かすことができない要素です。
実際にブランド構築に成功している企業・個人は、このデザインの力をフルに活かして、ブランディング しています。
そこで、今回は「ブランディングデザインとは?ブランド構築にデザインが欠かせない理由」というテーマでお話していきたいと思います。
では、早速始めていきましょう!
1.ブランディングデザインとは
まず最初に、ブランディングデザインとは何かという話をしていきたいと思います。
1-1.ブランディングとは
まず、「ブランディングデザインとは何か」を理解するためには、「ブランディングとは何か」を抑えていく必要があるので、まずは、その解説をしていきたいと思います。
ブランディングというのは、文字通り「ブランドになること」です。
ブランドとは、一言で表現するなら、替えのきかない存在のことです。
今の時代、このブランドになることが非常に求められています。
というのも今の時代は、選択肢過剰の時代だからです。
つまり、何を選ぶにしても、選択肢が溢れてしまっているということです。
例えば、美容院を探すとします。
今の時代であれば、インターネットを使えば、ありとあらゆるお店が出てきます。
銀座エリアの美容院を探すだけでも、270軒のお店が出てきます。
更に言えば、今は昔と違って、交通の便が発達しているので、基本的にはどのエリアであっても髪を切りに行けます。
となると、東京都内だけで数千軒を超えるような美容院がある中で、自分のお店を選んでもらわない限り、ビジネスというのは成り立ちません。
昔だったら、もっと近所の数軒から選んでいれば、良かったので、そこまで競争は激しくなかったのですが、インターネットが登場し、あらゆる選択肢が選べるようになってしまったので、こういう事態になってしまったんですね。
でも、これはまだまだ、実店舗の話で、地域関係なく、買える商品であれば、もっと選択肢は多いです。
例えば、Tシャツですね。
これはありとあらゆるアパレルブランドのTシャツを集めたサイト(ZOZOTOWN)なんですが、Tシャツを検索すると、6万9277件あります。
この数は本当に衝撃的な多さですよね。
実店舗とは明らかに桁が違います。
で、これだけ選択肢が多くなると、人間の脳はどうなるのかというと、フリーズします。
これだけの数が多いと、細かな違いなんて見てられないので、一際違いがあるものが選ばれるようになります。
一目見て違いがわからないものは、その他大勢と括られます。
今の時代は、どんな業種業界であれ、二極化していってます。
上の極に行くと、非常にビジネスが安泰になりますが、下の極に行くと、かなり苦しい競争に巻き込まれてしまいます。
例えば、タオル業界で言うなら、上の極のタオルは、「今治タオル」のタオルです。
パッと見ただけでも、普通のタオルとは違うなということが直感的にわかると思います。
画像出典:http://imabari-towel.jp/
今治タオルは、愛媛県の今治市のタオルブランドです。
今治は、温暖な気候と豊かな水源に恵まれ、タオル作りに適した軟水があるため、この120年もの間に、繊維関連の工場が200もできて、国内屈指のタオルの名産地として知られる街です。
その中でも今治タオルは、品質の高さで有名です。
例えば、吸水性という面でいうと、必ず、タオル片を浮かべて5秒以内に沈まないものは使わないという独自の品質基準を設けているので、使ってみれば、その違いというのは歴然です。
バスタオルの価格でいうと、1枚5400円で売られています。
普通のバスタオルが1000円ほどで売られている現状を考えても、相場よりも圧倒的に高い値段で販売しているのがわかると思います。
しかもポイントなのは、飛ぶように売れているということです。
2009年と2017年に比べて、今治タオルの生産量は50%も増加しているのです。
相場よりも遥かに高い値段でも多くの人に支持され、購入されている何よりの証拠です。
そして、下の極になると、どうなるのかというと、百均で売られているバスタオルになります。
実際に検索すると、100円のバスタオルが出てきます。
じゃあ、品質がめちゃくちゃ悪いのかというとそうではありません。
バスタオルの基本である「お風呂上がりに水分を拭き取る」という機能的価値くらいは果たしています。
しかも、洗濯して、繰り返し使えます。
これは、人件費の安い海外の労働力を使って、製造されたタオルです。
こうしたタオルが、グローバル化の影響もあって、バブル崩壊後、日本に大量に入ってきました。
それによって、日本のタオルメーカーというのは大打撃を受けました。
例えば、今治のタオルでいうと、1991年に約5万トンの生産量が、2001年には約2万トンにまで落ちてしまっています。
それだけ外国製品に消費者が流れてしまったということです。
一般的な人からすると、タオルは水分さえ拭き取れれば基本OKなわけです。
でも、タオルであれば、安いものであれ、高いものであれ、それくらいの機能は満たしています。
だったら、安い方を選ぼうというのが普通の心理です。
国内のタオルブランドの多くは、外国製品が入ってきたときに、価格以外で、一目で分かるような違いを伝わるような形で提示できなかったのです。
だから、価格競争に巻き込まれ、衰退していってしまったのです。
ブランディングというのは、要するに、この「一目で分かるような違い」を生み出すことなのです。
選択肢過剰の時代において、このブランディングをしていかない限りは、二極の中の下のグループに確実に陥ります。
だからこそ、どんな業種業界であれ、ブランディングには取り組む必要があるんですね。
そして、その「一目で分かるような違い」の究極の形が、「あなただから・このお店だから・この会社だから」選んでいるという状態です。
デザインでも、機能でも、素材でも、品質でも、価格でもない。
「あなただから・このお店だから・この会社だから」という理由は取り替えが効きません。
だからこそ、相場よりも高い値段でも売れていきますし、お客さんが離れなくなっていきます。
そういう状態がブランドですね。
しかも、一度ブランドになってしまえば、複数の選択肢があったとしても、自動的に選ばれるようになります。
タオルを買うんだったら、絶対に今治タオル
というように、他のものはほぼ目に入らず、比較検討もされず、自動的に選ばれるようになります。
ブランディングについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、興味がある人はぜひご覧ください。
1-2.ブランディングとデザインの関係性
では、そのブランディングとデザインがどう関係しているのか、次に話していきたいと思います。
ブランディングというのは、言い換えるなら、「究極の価値づくり」です。
では、価値とはどうやって生み出されるのかというと、一つは情報によってそれは生み出されます。
僕は、先ほど、今治タオルの価値が上がるような情報を伝えました
- 今治はタオルの名産地
- 吸水性が凄い
- 品質が高い
などですね。
これによって今治タオルの価値は高まり、もしかしたら、買いたいと思った人もいるかもしれません。
それだけ情報を伝えるというのは、ブランディングにおいて重要なのです。
そして、人間というのは情報の87%を視覚から受け取るという研究結果があります。
デザインというのは、まさに視覚で価値を伝えるという役割があります。
今治タオルのデザインを見たときに、言語で説明されなくとも、何となくその価値の高さというのは直感的にわかったと思います。
それがデザインの役割なんです。
つまり、一瞬で、そのブランドの価値を伝え、惹きつけるということです。
1-3.ブランディングデザインとは何か
ブランディングデザインというのは、まさにそうしたブランドの価値を一瞬で伝えられるようなデザインのことなのです。
具体的にそのブランドの価値を伝えるデザインとしては、
- Webサイト
- ロゴ
- チラシ
- パンフレット
- 名刺
- ポストカード
- パッケージ
- プロダクト
- 空間
- 映像
など、様々です。
世の中にある、全てのデザインがブランディングデザインであるということはあり得ません。
プロのデザイナーであったとしても、ブランディングのことを考えた上でデザインされているものは少ないです。
多くのデザイナーが、何となく、感覚的にデザインしている場合が多いです。
何となく、かっこ良い方が良いと思って、何となく、おしゃれな感じが良いと思ってという感じですね。
ブランディングデザインで重要になるのは、その価値を伝えるためのデザインにすることです。
つまり、そこには意図が必要なのです。
ブランディングデザインには、全てそれが込められています。
例えば、日本を代表するアートディレクターの佐藤可士和さんという方がいます。
佐藤可士和さんは、外国製品が流入し、瀕死状態だった、今治タオルをブランディングし、再興させた人です。
画像出典:https://www.lissage.jp/
佐藤可士和さんは、ステップワゴンの広告を手がけたことで一躍有名になりました。
ステップワゴンは、この車ですね。
この広告を手がけたのは、1990年代でした。
当時の日本は、RV(レクリエーション・ビークル)ブームが巻き起こっていました。
つまり、ミニバンやキャンピングカーなど、家族で余暇を楽しむための車が流行っていたんですね。
ステップワゴンは、そんなブームの中で、発売しようとしていた車です。
ただし、このステップワゴンは、他のRVに比べて、際立った特徴がなくて、非常に広告するのが難しい案件でした。
要は、このまま売り出してしまっても、選択肢過剰の中に埋もれてしまう可能性が高かったんですね。
でも、絶対にデザインによって、価値を高めて、売っていくことができるはずです。
これまで佐藤さんは、デザインに対する考え方としては、「いかにカッコイイデザインを作れるのか」ということに意識を向けていたそうです。
実際にそういう方向性で、デザインを考えていたのですが、中々良いアイデアは出てきませんでした。
そんな佐藤さんの価値観を180度変えた人物がいます。
それが、同じプロジェクトで関わっていたコピーライターの鈴木聡です。
画像出典:https://spice.eplus.jp/
鈴木さんは、かっこ良く見せるのではなく、むしろその本質的な価値は、何かを問うていくことが重要なのではないかと、佐藤さんと議論を交わしていったそうです。
ステップワゴンの本質は何か、RVの本質は何か。
そこを深く掘って見ていくと見えてきたものがありました。
それが、家族と出かける日曜日が苦痛だという現状でした。
本来は楽しいはずの家族との外出のはずが、車の居心地の悪さによって苦行になっていました。
だから、この車に乗ることによって、楽しい家族との時間を取り戻して欲しい。
そんな方向性が見えてきたんですね。
そして、最終的に出てきたコンセプトが
こどもといっしょにどこいこう
でした。
できたCMがこれです。
CMでは、車のスペックやデザインの良さをウリにして伝えるのではなく、こどもとの楽しい時間を過ごせることを前面に押し出した広告にしました。
結果として、この車は1年で10万台を超えるヒットになりました。
つまり、ブランディングデザインというのは、「装飾」ではないということです。
そうではなく、そのブランドの本当の価値、つまり「本質」を伝えることこそがブランディングデザインなのです。
そうじゃないデザインは、ブランディングデザインではないということですね。
2.ブランディングデザインの事例
では、続いてはブランディングデザインの事例についてご紹介していきたいと思います。
2-1.今治タオルのブランディングデザイン事例
まず、最初に紹介するのは、今治タオルのブランディングデザインです。
今治タオルのブランディング案件が来た時に、佐藤可士和さんは初めに依頼を受けるかどうか躊躇したみたいです。
それは上記の理由で、これだけ安価な海外のタオルが入って来ている中で、ブランディングするのは至難の技と考えたからです。
ただ、その考えは、実際に今治タオルを使ってみて変わりました。
驚いたのは、その吸水性と使い心地でした。
恐らく、タオルの種類で、ここまで品質が違うんだと思ったと思います。
これならブランディングできると思い、この今治タオルのブランディングプロジェクトは進みました。
結果として、出来上がったブランディングデザインは、今治タオルの品質を浮き彫りにするような、シンプルなデザインでした。
画像出典:http://imabari-towel.jp/
デザインで、過度に装飾して人を惹きつけるというよりも、デザインは主張せず、タオルの良さを引き立たせるそんなデザインに仕上がっています。
それは、店舗空間、Webサイトどのデザインを取ってもそうなっています。
画像出典:http://imabari-towel.jp/
テイストや方向性を揃えることで、世界観が統一されるんですね。
2-2.SOUSOUのブランディングデザイン
では、続いては、SOUSOUのブランディングデザインです。
SOUSOUは、アパレルブランドで、オリジナルテキスタイルを使用した、和服や地下足袋や小物や家具等を製作、販売しています。
画像出典:http://www.sousou.co.jp/
画像出典:https://shop-pro.jp/
画像出典:https://shop-pro.jp/
SOUSOUのブランドコンセプトは
新しい日本文化の創造
です。
明治維新以降、日本にはありとあらゆる西洋文化が入ってきました。
それによって、日本のライフスタイルは便利に、大きく変化しました。
ですが、そのライフスタイルの変化とともに、日本の伝統文化が失われていっています。
地下足袋は靴に取って代わられ、和服は洋服に取って代わられました。
なぜ、取って代わられたのかというと、その時代・ライフスタイルの変化とともに、和装文化が進化しなかったからです。
そして、その結果として、それに関わる日本の伝統的な産業も廃れていってしまいました。
SOUSOUを立ち上げた、若林剛之さんはこの和装文化の「空白の100年」を埋めるべく、日本の伝統的な和装文化を現代に合うような形で、復活させたいと本気で考えています。
画像出典:https://www.shakaika.jp/
だから、SOUSOUが目指すブランディングデザインは
日本の伝統の軸線上にあるモダンデザイン
です。
このテキスタイルデザインは、古くからの日本を感じさせてくれつつも、全くこれまでにない新しいデザインに仕上がっています。
店舗もウェブサイトも商品デザインもパッケージも全て、世界観(新しい日本文化の創造)が統一された、素晴らしいブランディングデザインです。
2-3.星野リゾートのブランディングデザイン
では、続いては、星野リゾートのブランディングデザインを紹介したいと思います。
星野リゾートは、様々な宿泊施設を運営している会社で、その宿泊施設にそれぞれ独自のコンセプトがあるというのが魅力です。
宿泊施設は合計で数十あるのですが、
- 星のや:圧倒的非日常感に包まれる日本発のラグジュアリーホテル
- 界:地域の魅力を再発見心地よい和にこだわった上質な温泉旅館
- リゾナーレ:洗練されたデザインと豊富なアクティビティをそなえる西洋型リゾート
などに大きく分けると分かれます。
例えば、星のやバリでは、「聖なる川の集落」というバリの世界観が体現されている宿泊施設があります。
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
星のやバリが位置するのはバリ島の中部のウブドという村で、バリの伝統芸能のメッカとしても呼び声が高い村です。
そして、その村の中でも聖なる川として知られているのがプクリサン川で、その地域の中に、星のやバリがあります。
バリ島の人口の90%が、バリ・ヒンドゥー教を信仰しています。
信仰の中で一番大切にしているのが、神様・自然・人間の三つの繋がりです。
この繋がりを大切にすることで、人々は幸せに、喜びを感じながら生きることができるそうです。
そんなバリの世界観を体験できるのが、星のやバリです。
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
他にも、界でいうと、「界 加賀」という宿泊施設があります。
界シリーズは、基本的には温泉の宿泊施設なのですが、その地域の伝統文化が体験できるのも魅力です。
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
また、宿泊施設は、九谷焼、加賀友禅、加賀水引などを加賀の伝統文化をモチーフにしています。
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
また、毎晩、加賀獅子舞を披露しているそうです。
加賀獅子舞は、加賀百万石の勇壮華麗な武家文化を象徴する見世物です。
まさに音声だけではなく、加賀の世界観を体感できるような宿泊施設となっています。
画像出典:https://www.hoshinoresorts.com/
3.ブランディングデザインの作り方の流れ
では、続いては、ブランディングデザインの作り方の流れについて解説していきたいと思います。
3-1.ブランドコンセプトの構築
ブランディングデザインをしていくにあたってまず最初にやるのはブランドコンセプト構築です。
作成したブランドコンセプトこそがそのブランドの世界観の全てであり、それをデザインしていくのがブランディングデザインだからです。
1.理想世界の構築
では、ブランドコンセプトを構築するためにはまず、理想世界を作ることが重要です。
理想世界というのは
- どんな人に
- どうなってもらいたいのか
という2つの要素を抑えた理想の未来のことです。
これはビジネスをやっていれば、どんな人でも持っていると思います。
これがコンセプトの原型であり、デザインの方向性の核になります。
例えば、僕の場合であれば、
- 世のため・人のためという志を持った人に
- ブランドになってもらいたい
というのが理想世界です。
まず、これを書き出していきましょう。
重要なのは、これが自分の本音(ストーリー)に基づいていることです。
なぜ、「どんな人に」をその人にしたのか?
なぜ、「どうなってもらいたいのか?」をそうしたのか?
聞かれた時に、自分のストーリーに基づき、答えれなければ、そのコンセプトはパワーを持ちません。
例えば、
- 家が原因で不健康になっている人に
- 健康住宅に住んでもらって健康になってもらいたい
というような理想世界を持っていたとします。
じゃあ、なぜ、その理想世界にしたのか?
もし、その理想世界を掲げる人に、こんなストーリーがあったとします。
小さい頃、大震災に遭い、家族全員、仮設住宅に移りました。
その仮設住宅は寒く、湿度調整も出来ず、どんどん家族の体調は悪化して、母親は持病の病気を再発してしまい、そのまま帰らぬ人になってしまいました。
何も出来ず、ただただ、母親が苦しむ姿を見届けることしか出来なかったんです。
その子供の頃には、原因が分からなかったが、大人になり、住宅業界に入ったことで、明らかに家の構造と、人の健康に大きな因果関係があるということがわかりました。
実際にこれまで私が作ってきた家に住んだ方々は、持病のアトピー、心臓病、更年期障害などがどんどんよくなっていきました。
どういう家に住むか、それが家族の幸せを決めると思います。
だから、私は、この健康住宅を死ぬまで売り続けたいのです。
理想世界のバックグラウンドにこうしたストーリーがあると、かなり強力なんですよね。
説得力が出るんです。
どんな理想世界を掲げても自由ですが、必ず、問われるのが「なぜ、あなたがその理想世界を掲げるのか?」という部分です。
ここにさえ答えることができれば、多くの人を巻き込んで行けるようなコンセプトを作り上げることができますし、これが最終的なブランディングデザインの質を決めます。
なので、これを機に、自分のストーリーを整理しつつ、まずは理想世界を言語化するようにしましょう。
また、理想世界が見つからない、ぼんやりしてしまうという人は、その業界の他の人・会社が掲げている理想世界をリサーチするのもオススメです。
他の人・会社が打ち出している方向性を見ることで、自分の立ち位置が明確になるからです。
また、そのリサーチをしている中で、業界に対する憤りや不条理を自分の中で感じれると、なお良いですね。
「業界のこういう部分を変えたい」という思いですね。
なぜ、そんな憤りや不条理を感じるのかというと、まさに実際に自分が経験してきたからです。
まさに、自分が実際に経験して、そこから導き出される想いというのは本物のはずです。
コンセプトの原型となるのは、そんな熱い想いなので、そこをまずは見つけて、言語化するようにしましょう。
その熱い想いに触れて、人は巻き込まれていくので。
2.ブランドコンセプトへの昇華
そして、理想世界が言語化できたら、この理想世界を一言で表現するという作業に移っていきます。
ブランドコンセプトに昇華するという作業ですね。
コンセプトはできるだけ人に伝わるように、一言で表現できるのがベストなのです。
コンセプトへの言語化をするときには
- 既存の表現を参考にする
- キーワードを洗い出して、新造語を作る
という二つがあります。
まず、既存の表現を参考にするについて。
世の中には、様々なタイトル、キャッチコピーなど、もう既にコンセプトが入った表現というものが存在しています。
なので、それを参考に表現を作るということですね。
書籍でも、映画でも、アニメでも、番組でも、雑誌でも、チラシでも何でも良いです。
それを先ほど作った、理想世界に当てはめるならどうなるのか?を考えるのです。
また、理想世界から生まれてくるキーワードを考えつくだけ出していくのもオススメです。
健康、家、住宅、温かみ、ホーム、100年住める…
そして、キーワードとキーワードを組み合わせて、新造語を作るのです。
例えば、2010年に発売された、お米からパンを作るホームベーカリーのGOPANとかはそうですよね。
シンプルですが「ごはん」というキーワードと「パン」を組み合わせて、そのタイトルを作っています。
キーワード出しと、造語作りは、複数人でやることをお勧めします。
コンセプトを降ろすためにはエネルギーが必要ですが、複数人集まって、アイディアを降ろした方がスピードも速いですし、明らかに質の高いものが生まれやすいです。
3-2.ブランディングデザインへの落とし込み
そして、次に出来上がったコンセプトをブランディングデザインに落とし込むという作業をやっていきます。
具体的には
- タッチポイントの整理
- デザインの方向性決め
という2つのステップを踏みます。
1.タッチポイントの整理
まず、タッチポイントの整理とは何かというと、お客さまが自身のブランドを知るきっかけとなる場所はどういうところかを整理するということですね。
これは人・会社によって、違うと思います。
- ホームページ
- ランディングページ
- Facebook広告
- 商品パッケージ
- チラシ
- パンフレット
- 名刺
- 店舗
など、様々あると思います。
ブランドを作る際に重要なのは、このタッチポイントの全てにデザインは必要ですが、その際に先ほど作ったコンセプトの世界観を統一させることです。
チラシがコンセプトをうまく表現できていても、その先の飛ばすホームページが、あまり整備されておらず、ぐちゃぐちゃのままであれば、ブランディングデザインとしての完成度は低くなります。
だから、まずは、現時点で、どういうタッチポイントがあるのか、整理することが重要なのです。
その細部の一つ一つが、ブランドを作るポイントになるのです。
2.ブランディングデザインの方向性決め
そして、ここまで来れば、後は、デザイナーが制作するという工程に来ます。
ただ、ここでも重要なのは、言語化したコンセプトとデザインに落とし込んだ時の方向性を擦り合わせるということです。
おすすめなのは、まずはデザインのキーワードを洗い出すことです。
- シンプル
- スタイリッシュ
- エレガント
- 可愛い
- イラスト
- 和風
- ヨーロピアン
- ポップ
など、その世界観をデザインとしての表現に落とし込む際のキーワードがあるはずです。
ブランディングデザインを依頼する時にも、そうした参考になるようなデザインがあると、デザイナーは非常に仕事がしやすいです。
くっきりとは見えてなかったとしても、「この方向性は違うよな」ということは、どの世界観を表現する時にもわかると思います。
また、腕の良いデザイナーを探す時のコツですが、まず、過去の制作実績を見せてもらってください。
その上で「なぜ、そのデザインをしたのか?」ということを問いかけてみると良いですね。
その説明で、なんとなく感覚的にデザインしたのであれば、そのデザイナーは微妙ですし、僕がこの記事で解説したような世界観に基づいたデザインしたのであれば、かなり腕の良いデザイナーであることは間違いないです。
多くのデザイナーは感覚でデザインしていることが多いので、そこは依頼する際に注意するようにしましょう。
4.ブランディングデザインのまとめ
では、最後に今回のまとめをしておきたいと思います。
まず、ブランディングとは何かという話をしました。
ブランディングとは替えのきかない存在になることです。
ブランディングデザインとは、そうしたブランドの存在価値を視覚的に瞬時に伝える役割を担っています。
また、ブランディング デザインに重要なのは「意図」です。
虚飾ではなく、その本質的な価値を浮かび上がらせるのが、ブランディングデザインです。
また、ブランディング デザインの事例としては
- 今治タオル
- SOUSOU
- 星野リゾート
を紹介しました。
そして最後にブランディング デザインの作り方として
- ブランドコンセプト の作り方
- タッチポイントの整理
- デザインの方向性決め
についてお話しました。
ぜひ、今回の記事を参考にブランディング デザインに取り組んでみてくださいね。
では、今回は以上になります!
お疲れ様でした!