どうも!ブランドクリエイターの中江です。今回は「LTVとは?計算方法からマーケティングにおける重要性まで徹底解説」というテーマでお話していきたいと思います。
さて、今回のテーマは「LTV」ですね。
LTVとは英語の「Life Time Value(顧客生涯価値)」の略語で、マーケティング用語では「平均顧客単価」の意味になります。
この記事をお読みの方の中には「LTVという言葉は聞いたことがあるけど、意味がよくわからない…」「計算方法がよく分からない」という人も多いと思います。
そんな方は、今回の記事で徹底的に解説していきますので、ご安心ください。
僕は、このLTVを知っているか知らないかで、ビジネスのマーケティング戦略や結果や結果を出す期間が大きく変わってくると思います。
僕は自分がコンサルティングをするときには、抽象度の高い大きな全体のコンセプトを構築し、実際の具体的な「売上を出す」というフェーズに入ったときには、まず、このLTVをしっかり計算するようにしています。
特に「インターネットで自分のビジネスを加速させたい!」と思っている人には絶対に必要な指標ですね。
それほど「LTV」は重要なので、今回の記事で徹底的に解説していきたいと思います。
では、早速始めていきましょう!
Contents
1.LTVとは?意味を徹底解説
では、まずは、LTVの意味や概要について解説していきたいと思います。
1-1.LTVの意味
まず、LTVは、冒頭でもお話しましたが「平均顧客単価」のことです。
例えば、飲食店をされているのであれば、お客さんが平均いくら使ってくれているのかという金額のことですね。
仮にその飲食店では、1ヶ月の来店人数が500人あったとして、売上が100万円だとしたら、平均顧客単価は「2000円」になります。
これが簡単にいうと、LTVのことです。
他にも例えば、自分が英会話講師としてブログやメルマガで情報の発信をしていることを考えてみましょうか。
そして、メルマガ(ステップメール)で、5万円の英語の教材を販売しているとします。
仕組みとしては、ブログとSNSと広告からメルマガの新規の読者を集めて、LP(メルマガ登録ページ)に飛ばして、そこから、メルマガのステップメール機能で、自動で関係性構築からセールスまでの流れをメール配信して、教材を売るというものです。
例えば、1ヶ月にメルマガに100人が登録して、10人が購買に繋がったとします。
そうすると、売上は50万円になるので、それを100人で割ると、LTVが「5000円」だというのがわかると思います。
電卓を使うとわかりやすいですね。
インターネットではこういうイメージですね。
1-2.LTVを計算しておくメリット
じゃあ、なぜ、僕は、毎回、ビジネスのマーケティング戦略を組むときにこのLTVという数値を計算しておくのか?
その答えはシンプルで「目標達成までの戦略を具体化できるから」です。
例えば、さっきの英会話講師の人に「月に1000万円売り上げるような仕組みを考えてください」と言われたら、どうしますか?
5万円の商品・サービスで、年間1億2000万円規模のビジネスの仕組みです。
「年間で1億2000万円」という数字だけ見ると非常に大きな数字で、どこからどう手をつければ良いのかわからないと思います。
でも、ここでLTVを使うんです。
例えば、さっきの例で言えば、5万円の教材を販売していて、成約率が10%(メルマガに登録した100中10人が買う)出たら、LTVは「5000円」でしたよね?
月1000万円に到達するためには、例えば、月にメルマガに登録してくれる人が2000人いたとしたら、実は目標を達成することができます。
200人(2000人の内の10%)が5万円の教材を買うので、200人×5万円で1000万円なので、目標達成です。
まぁ、でも、「月に2000人もメルマガ読者を集めるのが現実的じゃないなあ」と思うのであれば、例えば、商品点数をもう一つ増やすとします。
最初は「英語の基礎力を高める教材」「英会話をマスターする教材」という感じですね。
そうすると、最初、教材一つで「LTV5000円」だったので、それが二つに増えたので、「LTV1万円」にまでアップします。
すると、どうなるのかというと、月のメルマガの登録者数が半分の1000人でも、LTVが1万円に上がったので、目標を達成することができます。
仮に、毎月のメルマガの登録が
- ブログ:300人
- SNS:300人
あったとします。
これであれば、600人×1万円なので、月の収益は600万円ですよね。
まだ、400万円足りないわけですが、ここで短期的に集客力を一気に上げるためのツールが「広告」という施策です。
広告はお金はかかりますが、それを払うことで、一気にメルマガの読者を増やすことができます。
もちろん、LTVの計算には広告の費用を計算に入れる必要があります。
仮に広告で読者を月に400人増やせたとしても、1人あたりのメルマガ読者の獲得単価が500円かかったとしたら、経費としては20万円かかっていることになるので、それを差し引かないといけないです。
1000人×LTV1万円-20万円なので、980万円ですね。これで、だいぶ近づいてきましたね。
あと、25人ほど広告で読者を獲得すれば、目標値に到達することが計算できます。
広告も事前にLTVを計算していれば、赤字が出るポイントが分析できて、わかるので、特にビビる必要は無くなります。
LTV1万円ということは、1人あたりの読者獲得コストは、1万円まであればプラスになるという計算ですからね。
もし、これでLTVを計算せずに、ビジネスの戦略を組むとなれば、かなりスピードの遅い戦略を組み立てることになります。
広告を使わないので、ブログやSNSで記事更新をして、地道に発信していくしかないからです。
例えば、ブログで、毎月のメルマガ読者の登録を400人にしようと思えば、あと月間で10万PVは必要になってきますからね。
そうなると、それなりの記事数も必要になって来るというわけです。
2.LTVの算出方法とは
では、続いては「LTVの算出方法」についてお伝えしておきたいと思います。
2-1.LTVの計算について
LTVの計算方法は、すごいシンプルで
LTV = 売上÷ 顧客数
このようになります。
例えば、年間の売上が1000万円で、お客さんの数が1000人だとします。
そうすると、
LTV1万円=1000万円÷1000人
になります。
売上ではなく、利益の計算でも良いです。
LTVを計算するタイミングですが、大きく分けて二つあります。
- 現状を記録する時
- 未来をシミュレーションする時
まず、現状を記録する時ですね。
リアルのビジネスでも、ネットのビジネスでもこのLTVの記録というのは、定期的にやっておいた方が良いですね。
LTVの記録は、今の自分のビジネスの状態がどういう状況なのかを把握するための最良の手段になります。
どの商品がどれだけ売れたのか、お客さんは全体で何人いたのか、その内の何パーセントの人が購入してくれたのか、平均してどれくらいのお金を使ってくれたのかを全て、把握することに繋がるからです。
僕のLTVを記録する時のオススメは、
- 月末に記録する
- 年末に記録する
の2つですね。
特に1ヶ月単位で記録しておくと、自分のビジネスの変化に敏感になれますし、軌道修正が必要だったら、すぐに対応することができます。
単純に売上(利益)だけ見てるだけでは、今の自分のビジネスの問題点ってわからなかったりするんですよ。
例えば、個人でビジネスをしていて、月に100万円利益が出ているとします。
「この仕組みをどうやれば、もう少し伸ばすことができるのか?」は、この出ている利益を見るだけの状態では分かりません。
同じ「利益100万円」でも、
- 1000人中10人が、10万円の商品を買ってる
- 50人中10人が、10万円の商品を買ってる
では、ビジネスの対策が変わってきます。
例えば、上の「1000人中10人が…」という方は、集客は1000人も集まっているのに、成約率が1%しかないわけです。
だったら、成約率をもっと上げましょうということになります。
だって、仮に下のように「50人中10人が買う」というような成約率20%まで引き上げることができれば、200人が10万円の商品を買うことになるので、それだけで利益が20倍の、2000万円になります。
こういう状態なのに、利益を伸ばすために「集客」にフォーカスするというのは間違っていますよね?
根本的な問題とは関係がないからです。
どちらかというとこの場合は「セールス」部分を強化することにエネルギーを注ぐべきです。
また「50人中10人が…」という方だったら、成約率は20%なので「セールス」の方は十分な訳です。
50人で100万円の売上が出ていて、LTVが2万円もあるので、あとは「集客」の部分を強化するだけです。
これだけLTVが高いのであれば、「広告」をかけてでも一気に広げるべきですね。
こういう状態なのに成約率を伸ばそうと「セールス」の部分を強化してもあまり意味がないわけです。
また、LTVの平均値を出すためには、データは多ければ多いほど、データにブレが無くなります。
1週間のデータよりも1年のデータの方がより信憑性が高くなるということですね。
なので、年末に一度、その月ごとの全てのデータを合算しておくと良いでしょう。
また、未来をシミュレーションする時にもLTVを使うことができます。
未来をシミュレーションする時のポイントは、まず、目標を立てて、そこから逆算してLTVに分解していくことです。
例えば、月に100万円の利益が上がる仕組みを作るのであれば、そこからLTVの要素を割り出して行きます。
- 商品単価
- 必要顧客数(全体の顧客数×成約率)
まず、商品単価から分解していってもらえると、わかりやすいですね。
例えば、5万円の商品を1つ扱っているのであれば、必要な顧客数は20人です。
じゃあ、20人に販売するためには、どれくらいの人に対してセールスをすれば良いのかということを導き出していきます。
例えば、今の成約率が10%あるのであれば、200人集めてくればいいだけです。
こういう風にシミュレーションしていくと、具体的に、どこからどれくらいの人数を動かしていけばいいのかが決まるので、戦略も決まるんですね。
商品を複数扱っている場合も同様なので、ぜひシミュレーションしてみましょう。
2-2.LTVと広告
特に広告については、LTVを計算しないまま始めてしまうと、とんでもない赤字になることだってあり得ます。
例えば、さっき説明したこのステップメールの仕組みを使って5万円の英語教材を1つ販売しているとします。
広告をかけるとしたら「メルマガ読者を増やす広告」ですね。
じゃあ、この時に「1人あたりの読者の獲得コストはいくらまでOKなのか?」これが、広告を使う前にわかっておかないと、基準がないので、めちゃくちゃ赤字を出す可能性もあります。
この場合もやることは分解です。
例えば、僕の場合であれば、この時に出す「損益分岐点(これ以上なら赤字)」は
- 1読者の獲得コスト:1500円
- ステップメールの成約率:3%
になります。
わかりにくいと思うので、具体化すると、広告費15万円使って、100人の読者を獲得できます。
そして、その内の3%の3人が5万円の教材を買うので、これで15万円はなんとか回収できます。
これでプラスマイナスゼロなので、これ以上優秀な広告費(1リスト1500円以下)と成約率(3%以上)で集客できると、黒字になるのがわかります。
これで広告を出す際の一つの指針になるわけですね。
3.LTVを最大化させるための戦略
では、最後にLTVを最大化させるためのポイントについて話しておきたいと思います。
3-1.LTVを最大化させる時の注意点
LTVというのは平均顧客単価ですから、それを最大化させるというのは「売上を最大化させる」というのと同じ意味になります。
ただし、重要なのは「売上さえ上がればいい」というものでもないということです。
売上を最大化させるのは簡単です。
要は「セールスの成約率」を引き上げればいいので、お客さんに商品をできるだけ購入してもらえるようなセールスの手法を取れば良いのです。
さっきの英語教材の例でいうと「この教材を買えば、たった毎日5分の勉強時間で、移動中に聞き流すだけで、ペラペラに喋れるようになりますよ」とか言っておけばいいんです。
その英語の勉強理論の科学的な根拠や、推薦の声や、お客様の声もいっぱい載せて、「これさえ買えば、本当に英語がペラペラになれる!」と確信できるようなセールスの流れを作ってしまうんです。
さらに返金保証もつけちゃいましょう。1ヶ月試してみて、全く効果がないと思ったら、返金するので、あなたは全くノーリスクで教材を手に入るんですよとか言ったりして。
多分ね。こうやって、買わせるためだけに、嘘も何もかもごちゃ混ぜにして、売れば、本数は売れると思います。
でも、こうやって売上だけを最大化させるために、LTVを引き上げて、このビジネス長期的にやっていけると思います?
こういうやり方を長く続けるのは無理ですよ。
現実的に言えば、セールスの時に言ってたことと、実際の商品の中身が乖離してるとクレームが出たり、騙されたと思うので、絶対にリピートされません。
いわば、人のエネルギーを吸い取るだけのビジネスだからです。
人のエネルギーを吸い取り続けて、それをお金に変換して、吸えるだけ吸うと。相手のエネルギーがなくなれば、それで終わりです。
だから、長く続かないんです。
じゃあ、どうすれば良いのか?
嘘ではなく、本物の価値を創造し、提供していくしかないです。
例えば、英語の教材を提供するなら、本当にその人自身の英語力が飛躍的に伸びたり、人生が好転するようなきっかけになるようなものを作るんですね。
そうすると、お金という形で相手からエネルギーはもらっても、こちらも価値を提供して、相手のエネルギーも上がるので、循環するんです。
相手のエネルギーが枯渇しないので、本当に長くビジネスを続けることができるんですね。
そして、その究極形が、ブランドになるということです。
「ブランドになる」というのは、このブログで何度も出て来ているメインのキーワードですが、要するに「究極の価値を創造し、それを提供し、替えのきかない存在になる」ということです。
「英語を学ぶんだったら、この人しかあり得ないだろう」と思われるようになることです。
でも、そういう存在になるためには「職分の追求」をする必要があります。
職分の追求とは「自分がやっている仕事の本質とは何か?」を追求し続けることです。
- 自分の仕事は、世の中においてどういう役割を担っているのか?
- 自分の仕事は、誰のために・何のために存在しているのか?
- どうやれば、その役割を全うできるのか?
などを問い続けることです。
今の自分がどういう状況であれ、そういうスタンスでいるのが非常に重要です。
なぜなら、このスタンスは「いかに相手に価値提供できるのか?」という視点に立っているので、エネルギー循環が起こるからです。
「LTV」という概念は、非常に具体的で、どうしても意識が数字の方にいってしまい「売上を上げる」ことだけに意識がいってしまいがちなので、「価値提供」の部分が疎かになりやすいので、ここは注意しておきましょう。
ビジネスは「数字」が全てじゃありません。
同じ1億円の売上でも、どういう人に買ってもらったのか、そのもらったお金で、どれだけ人に価値提供できたのか、そういうのは数字じゃ見えない、ビジネスを続ける上で大切な部分なので、必ず意識しておきましょう。
3-2.LTVを向上させるためのポイント
では、最後にLTVを向上させるためのポイントについてお話したいと思います。
LTVを向上させるためのテクニックですね。
LTVを向上させるために非常に重要なのは、まずは、ちゃんと今の現状を認識し続けることです。
インターネットで言えば、アクセス解析の部分ですね。
僕は、これまで本当に色んな人や会社の相談に乗ってきましたが、このアクセス解析をちゃんとしている所には出会ったことがありません。
例えば、さっきの英会話講師の人のように、こういう流れを作っているとします。
それだったら、まずは、
- メルマガに毎月何人登録しているのか
- その内の何人がどの商品を購入しているのか(基礎英語・英会話教材)
- 成約率は何%なのか
- セールスページに辿り着いている人は何%なのか
- LTVはどれくらいなのか?
といったことを毎月1回で良いのでちゃんと計測するのが大事ですね。
例えば、売上が100万円で、これをなんとか上げたいとします。
ほとんどの人は「売上100万円」しか見ないんですが、これだけ見ても、そもそも良い数字なのか、悪い数字なのか、どこを改善すればいいのかはわからないんですね。
- そもそも毎月のメルマガの登録者数が少ない
- セールスページからの成約率が低い
- メルマガからセールスページに辿り着いてない
など、考えられる可能性は本当にたくさんあると思います。
例えば、毎月のメルマガの登録者数が100人で100万円売り上げているんであれば、LTVは1万円なので非常に高いわけです。
後は、広告でも良いので、どんどん集めていくことができれば、売上はかなり伸びていくと思います。
でも、逆に毎月メルマガの登録者数が500人もあって、100万円しか売り上げてなかったら、これはかなり少ないわけです。LTVは2000円ですからね。
じゃあ、恐らく、メルマガに登録してからセールスまでの流れが非常に悪いということになります。
でも、ここでも、可能性としては、
- セールスページは見られているんだけど、全然買わない
- そもそも、セールスページにすら辿り着いてない
の二つの可能性があります。
「セールスページは見られてるんだけど、全然買わない…」という場合は、
- セールスページで、商品の価値が伝わっていない
- 商品そのものの価値が低い
という2種類の可能性があります。
商品の価値が伝わっていない場合は、セールスページや、セールスメールなどのセールスの仕方を見直した方がLTVを引き上げることに繋がりますし、商品そのものの価値が低い場合は、商品自体を修正した方が、LTVは上がるでしょう。
また、「セールスページにすら辿り着いていない」という場合は、それまでのメルマガを見直した方が良いと思います。
このように重要なのは、インターネットでもリアルでも購入に至るまでのプロセスを分解し、それをちゃんと計測することです。
その計測したデータをもとに、「どの部分が具体的に不十分なのか」を突き詰めていくことで、LTVは確実に引き上げていくことができます。
4.LTVについてのまとめ
では、最後にLTVのまとめをしておきたいと思います。
まず、LTVとは「平均顧客単価」ということをお話しました。
LTVを計算しておくと、ビジネスの目標達成までの戦略を具体化でき、効果的な手を打てるようになります。
LTVの計算式は
LTV = 売上÷ 顧客数
です。
月末と年末に定期的に測り、また未来の目標をシミュレーションするときなどにも使うのがおすすめです。
購入に至るまでのプロセスを予め分解し、定期的にちゃんと測ることによって、LTVを引き上げるためのヒントが出てくるので、定期的にアクセス解析をするようにしましょう。
ただ、LTVについて注意しておきたいのは、嘘でも何でもついて、無理やり売り上げを引き上げるようなやり方をしてはいけないということです。
そういうやり方は、短期的には爆発的な売上を出すかもしれませんが、絶対に長く続きません。
ビジネスを長期的に続けていきたいんだったら、職分を追求し、本物の価値を創造し、提供できるようになり、エネルギーが循環するような仕組みを作る必要があります。
では、今回は以上になります!
お疲れ様でした。