どうも!ブランドクリエイターの中江です。
今日は「付加価値をつける方法」というテーマでお話していきたいと思います
付加価値とは何かというと、文字通り「付け加えられた価値」な訳ですが、これを高めていくことは非常に重要なわけです
というのも、付加価値が高まるということは、すなわち、価値が高まることを意味するので、ブランドのターゲットから選ばれやすくなったり、高単価で商品・サービスを販売していたとしても買ってもらえるようになります。
1.付加価値とインターネットの関係性
特に今の時代、この付加価値について、改めて考えることが重要になります
というのも、今の時代は、インターネットが日常生活に普及して、人々はインターネットを通じて、商品・サービスの購入の意思決定をするようになったからです。
美容院を探すのも、ランチを探すのも、カメラを買うのも、贈り物を探すのも、基本的にはインターネットで情報を調べてから、購入するというのがスタンダードになっています。
インターネットが登場したことによって、関連する商品・サービスの情報収集と比較検討が容易になりました。
例えば、表参道の美容院を美容ポータルサイトのホットペッパービューティで、検索すれば、245件のお店が一覧で出てきます。
インターネットがなかった時代では、こんなに一覧で比較できることはなく、245件のお店から選ぶというよりも、近所で見かけた数件の中から選んでいました
それだけ競争率が低かったので、はっきりいって、付加価値について何も考えなくとも、真っ当に
プロの技術力を持って、カット、カラー、パーマを提供する
普通の美容院としてやっていても上手くいきました
ですが、今はそうした、「普通の〇〇」、この場合だったら「普通の美容院」というだけで、生き残ることはできません。
「プロの技術力を持って、カット、カラー、パーマを提供する」ことは、美容院であれば、どこのお店でもできることです。
結果として、選ぶ側は「他の美容院と何が違うの?」という疑問が浮かんでしまい、違いがわからなければ、選ばれないということになってしまいます。
表参道には245件も美容院があるけど、この美容院は何が違うの?
という疑問に明確に答えることができなければ、お客さんは中々やってきません。
そして、お客さんが来なかったら、多くの人がやるのが、競合店よりも、商品・サービスの価格を下げることです。
価格という数字は、誰が見ても客観的にわかる明確な違いであり、人は価値で選べないなら、価格で選ぶからです。
そして、始まる価格競争が、事業の利益率を逼迫し、どんどん経営が苦しくなっていきます。
まとめると、インターネットが登場したことによって、どんな業種業界も、全プレイヤーとの比較検討がされるようになり、競争率が加速したのです。
だからこそ、「普通の○○」を抜け出していくことが、生き残っていく鍵になる訳です。
2.付加価値とは何か
付加価値を考えるとは「普通の○○」を抜け出すことに繋がるわけですね。
どんな事業をやっていても、提供する商品・サービスにはベースとなる価値があります。
これは「プロとして当たり前の基準(平均点)」だと思ってもらえれば良いかもしれません。
例えば、スマートフォンなら、電話ができる、ネットが使える、アプリが使える、カメラが使えるなどが、ベースとなる価値です。
美容院なら、クレームが来ない、カット技術、カラー技術、パーマ技術かもしれませんね。
その事業をやるのであれば、当たり前に持っておかないといけない価値です。
付加価値とは、その先にある価値のことです。
これを積み上げていくことによって、価格ではなく、価値で選ばれるようになります。
例えば、最新のiPhoneであれば、「4K」という超高画質で、動画も撮影ができます。
これらはすべてのスマートフォンに備わっているものではないので、こういったものが付加価値となります。
3.付加価値の事例
付加価値とは「違い」です
他のどのブランドもやっていない「違い」を見出せるほど、希少性が高い付加価値となり、商品・サービスが高単価でも売れるようになります。
東京都台東区谷中に「ひみつ堂」というかき氷の専門店があります。
画像出典:https://www.uenoue.xyz/
このかき氷屋さんは、とても付加価値が高いかき氷屋さんで、1000円のかき氷が1日500杯も売れています。
お客さんも近所の方だけではなく、全国から殺到し、メインシーズンの夏になると、「5時間待ち」になることもあるそうです。
中には
東京ディズニーランドに並ぶか、ひみつ堂に並ぶか迷って、ひみつ堂に来ました!
というお客さんもいるそうです。
1000円のかき氷って、相場よりも明らかに高い値段ですよね。
お祭りの屋台とかで買えば、100円で買えるので、相場の10倍といったところでしょう。
それでもお客さんはこぞって来るということは、明らかに価格ではなく、価値で選ばれているということです。
そして、ひみつ堂のかき氷には屋台のかき氷にはない付加価値があります。
画像出典:https://magazine.hitosara.com/
まず、氷にかけるのは、既製品のシロップではなく、すべて自家製手作りの蜜で、完全無添加です。
蜜に使う果実は100%で、代表自らが生産地まで足を運び、自分の目で直接確認して、交渉して、仕入れを決めます。
例えば、いちご蜜には静岡県と秋田県の旬摘完熟いちごのみ使用。加えるのはお砂糖のみです。
そして、使う氷は、日本最高峰の三ツ星氷室の日光天然氷を使用しています。
画像出典:https://letronc-m.com/
天然氷は人工的に凍らせた氷と違って密度が非常に高く、溶けにくいのが特徴です。
天然氷作りは、休みがなく、本当に命懸けで大変なお仕事で日本には、大正時代に天然氷の製氷事業者は500ほどありましたが、冷凍技術が発展して、工場でも大きく綺麗な氷が作れるようになった影響もあって、2000年の初めには5軒しか残っていません。
その5軒の中の貴重な1軒の氷を使っているのです。
そして、この氷の削り方にも拘っていて、自動ではなく手動式の氷削機を使っています。
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機械の取り付ける刃は、毎日研ぎたての刃に取り替え、ふわふわだけど、溶けにくい氷にします。
また、季節によって、微妙に削り方を変える事で、その季節にぴったり合った氷がいただけます。
夏は涼しさを感じてもらうためにたっぷり削って、氷の割合を多くして、冬は贅沢を感じてもらうために、氷の量を減らして、蜜の濃厚さを感じていただけるようにするそうです。
ここまで見ても、明らかに屋台で売られている、既製品のシロップと人工氷を使ったかき氷とは一味も二味も違いますよね。
一般的なかき氷の原価は、10%程度だと言われています。100円のかき氷は10円ということですね。
一方で、ひみつ堂のかき氷は、メニューにもよりますが、280円以上するそうで、原価率は30%を超えています。
それだけ中身が違うということです。
これが商品単体としての付加価値ですね。
4.ブランド全体の付加価値
また、ブランド全体としての付加価値を上げているのが、そのメニュー数です。
ひみつ堂はそのブランド名「ひみつ」からもじって、「132種類の蜜を開発する」ことを始めました。
かき氷を食べられるお店はたくさんあると思いますが、これだけ種類豊富なメニューを揃えているかき氷屋さんは、ほぼないと思います。
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常時132種類を揃えているというわけではなく、その季節に合わせてメニューを用意して、新たに開発もしているので、お店に行く度に新メニューと出会えます。
これが口コミやリピートの秘密にもなっているわけですね。
5.付加価値の生み出し方
付加価値を考える際に重要になってくるのが、コンセプトとなる方向性です。
今紹介した、ひみつ堂の付加価値は、「ひみつ堂」というブランドだからこそ成立しています。
ひみつは「氷」に「蜜」と書いて、「ひみつ」と読むこともできます。
そして、氷にも、密にも大きな秘密が隠されています
また、132種類も「ひみつ」だからこそ、マッチしています。
付加価値は、何でも噛んでも付け加えればいいというものではありません。
ひみつ堂の事例を見て、「メニュー数が多いから付加価値が高いんだ!」と思って、メニュー数を増やしても、逆に、頼みにくくなったり、コンセプトによってはマイナスになることだってあり得ます。
方向性を決める際に大事なのは、
- ターゲット
- ブランドプロミス
です。
自分のブランドは、誰に、喜んでもらいたいのか。
そして、その人たちに、どうなってもらうことをブランドとして約束するのかを決めるということです。
その上で、付加価値を考えることが大切です。
例えば、パソコンを作るにしても、ITが苦手な人に売る場合は「機能を増やす」ことがマイナスになることもあります。
一方で、パソコンの可能性を最大限に引き出したいというプロフェッショナルに販売するのであれば、「機能を増やす」ことはプラスになります。
大事なのは、コンセプトであり、方向性です。
コンセプトについては、以下の動画でも詳しく解説しているので、興味がある人はそれも併せてご覧ください。
6.付加価値を作る際の注意点
そして、最後に、付加価値というのは、固定的なものではなく、流動的なものであるという認識も持っておくと良いですね。
木村屋総本店というあんぱんを主力商品にした、1869年の明治時代に創業された、老舗企業があります。
関東の百貨店・駅ビルに26店舗展開しています。
木村屋総本店は、日本で初めてあんぱんを発明しました。
画像出典:https://mi-journey.jp/
そのあんぱんの付加価値はとても高く、多くのファンがついています。
あんぱんは工場で1日2万個製造されるそうですが、その餡は全て職人が手包みしています。
パンは、イースト菌を使わずに、酒種酵母で発酵させ、通常の10倍以上の時間をかけて、手間暇かけて製造されています。
間違いなく、日本を代表するあんぱんでしょう。
ですが、今、この木村屋総本店のあんぱんの売上は、減少傾向にあるそうです。
というのも、今、日本中には様々な種類のパンが登場し、あんぱん自体の需要が減ってきているからです。
これに危機感を覚えた、7代目社長は、これまでの伝統的な製法を守りつつも、あんぱんの種類を増やし、現代にも受け入れられるような、新しいあんぱんの形や味のパンを次々と生み出しています。
付加価値が高い商品を考えて、それを生み出せば、あとは盤石というわけでもないんですね。
そもそも、時代が変われば、
どんなものが価値を持つのか
という価値観も変わっていきます。
これを常時チューニングしていく意識も、付加価値を考える上では重要です。
最後になりますが、付加価値について、一度、立ち止まって考えるのかどうかで、そのブランドの未来は大きく変わるので、ぜひ、この記事をきっかけに、付加価値について見直してみてくださいね
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
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