2017年3月11日

マーケットインとプロダクトアウトとは?両者の違いを分かりやすく解説

どうも!ブランドクリエイターの中江です。今回は「マーケットイン・プロダクトアウトとは?違いを分かりやすく解説」というテーマでお話していきます。

「マーケットイン」と「プロダクトアウト」という言葉はビジネスのことを勉強したことがある人なら、聞いたことがあるという人も多いと思います。

「マーケットイン」と「プロダクトアウト」というビジネスの手法は、自分がビジネスをやっていく上でも、基礎知識として非常に役に立つものなので、今回はこれを解説していきたいと思います。

で、「マーケットインとプロダクトアウト」とは何かを解説していくにあたって、とても良い事例があります。

それが長崎にあるハウステンボスです。

ハウステンボスは、1992年に環境先進国オランダの国造りの歴史に学んで人口3万人が定住する未来環境都市を築くというコンセプトの元に神近義邦という実業家の人が創業しました。

ハウステンボスは、中世から現代のオランダの街並みを忠実に再現した大型テーマパークです。完成にまでかかった投資額は2300億円と、東京ディズニーランドよりも500億円も多いという力の入れようです。

当時日本では珍しかった欧風建築の空間は話題を呼び、1996年には380万人の来場者を記録するも、バブル崩壊後は、入場者数が減少に転じます。

また、初期投資の巨額さも相まって、2003年には一旦倒産、2010年まで黒字になったことは一度もなく、再建をしようとするもうまくいかず、18期連続巨額赤字というテーマパークでした。

しかし、2010年9月期から初めて、この巨額赤字が黒字に転換します。

HIS創業者の澤田秀雄さんが社長に就任してからです。

そして、その翌年2011年には、売上高30%アップ、来場者数17%アップし、10億円の黒字を達成。更にその翌年の2012年も、売上16%アップ、2015年には来場者数は300万人を超えて、もう園内の収容能力を超えるほどの来客が想定されるなど、劇的なV字回復が起きています。

この劇的な復活劇の裏には、マーケットインとプロダクトアウトというビジネスの手法が非常に関わっているので、ぜひ、今回の記事を読んで理解してくださいね。

では、早速始めていきましょう!

1.マーケットインとは

では、まずは「マーケットイン」について解説していきたいと思います。

1-1.マーケットインの意味とは

なぜ、18期連続のハウステンボスが澤田さんが就任した途端、あっという間に黒字に転じ、園内の収容能力が追いつかないくらいのテーマパークにまで復活させることができたのかというと、これはひとえに「マーケットイン」的な戦略に舵を大きく切ったからです。

マーケットインとは、簡単に言えば、顧客のニーズに焦点を合わせて、ビジネス活動を行うことを言います。

もともと、このマーケットインという概念は、高度経済成長が終わった頃に、企業の生き残り戦略として生まれたものです。

まず、そもそも戦争が終わって、しばらくの間は、日本は生活必需品においても、大量生産するような技術はないですから、欲しいっていう需要があっても、供給が技術的に追いつかないという時代がありました。

簡単に言えば「作れば何でも売れる」という時代です。

でも、こんな時代も永遠に続くわけはなくて、需要に供給する技術が追いついてきます。大量生産できる技術ですね。

そうすると、どうなるかというと、「作れば何でも売れる」って時代ではなくなるんです。

お客さんは、エアコンを一つ選ぶにしても、1つのメーカーからではなく、色んなメーカーのエアコンから選ぶ時代になったわけです。

ここで初めて「お客さんから選ばれる必要」が出てきたわけですね。今まで通り、自分たちが良いと思うものを売れば良いという時代ではなくなってくる。

そこで生まれたのがこの「マーケットイン」という発想です。

「お客さんのニーズに合わせて、商品開発・販売活動しましょう」ってなってくるわけですね。

お客さんのニーズというのは、差別化し、選ばれるためのヒントになるわけです。

例えば、エアコンが冷暖房するだけのものというのが当たり前だった時代に、お客さんから話を聞いたり、アンケートをとったりして、「空気が乾燥するのをなんとかして欲しい」というニーズが浮かび上がってきたとします。

そのニーズを汲み取って、加湿や除湿もできるエアコンを日本で初めて販売するとします。

そりゃあ、エアコンにしても、今まで通りただ冷暖房ができるものよりも、加湿や除湿ができる方が魅力的ですから、売れるに決まっていますね。

1-2.マーケットインのメリット

マーケットインの大きなメリットは、お客さんの望むものにフォーカスすることで、ズレがなくなるということです。

「売れない」「集まらない」というのは、何かズレているんです。

ハウステンボスの来場者数が、ある時期から減少していったのも、お客さんが望むものとはズレていったわけです。

元々ハウステンボスは「オランダの静かな町並みを再現した大人のリゾート」でした。

最初はこの欧風の世界観というのは1992年当時では珍しかったため、ウケにウケて年間来場者数が300万人を超えてた時期があったんですが、時代の変化とともにお客さんにはウケなくなってきた。

オランダの町並みを忠実に再現したとしても、今は、そのオランダやその他の海外に気軽に行ける時代になってしまったということもあるんでしょう。

ハウステンボスは、大きく舵をマーケットインに切り替えて、上手く行ったと言いましたが、具体的にいうと、初期のコンンセプトにとらわれ過ぎず「お客さんが楽しければ何でもあり」という方向性に切り替えたということです。

ハウステンボスって、結構、テーマパークとして、好条件なのかというと、全くそんなことはなくて、東京ディズニーランドとかと比べて、結構きつい条件でやってます。

何がきついのかというと、立地です。

まず、立地でいうと、ディズニーランドが東京駅から浦安まで快速電車で20分前後なのに対して、ハウステンボスは東京から飛行機で1時間半、長崎空港から車で1時間もかかる。

だから、本当に「行きたくなる」理由がないと、お客さんは来ないわけです。

テーマパークの原点に帰ったというべきでしょう。テーマパークは楽しいからお客さんが来るんです。

澤田さんは、本当に「行くなくなる」魅力的なコンテンツを数多く生み出してきました。

例えば、「光の王国」というイルミネーションイベントなんかそうですよね。

光の王国は、世界最大の1300万個の電球でライトアップされるというイルミネーションのイベントで、全国イルミネーションランキングで4年連続獲得しています。

この動画見ているだけでも単純に行きたくなりますよね。

じゃあ、これが元々あった「オランダ」と直結するのかというとそうではない。単純にテーマパークとして行きたくなる。

その他にも、話題になった企画が、ONE PIECEのサウザンドサニー号クルーズです。もろ、オランダとは関係ありませんw

出典:https://za.pinterest.com/

その他にも革新的だったのは、園内の1/3を入場無料ゾーン(ハーバーゾーン)として解放し、そこに外部企業を誘致したことです。

これは「観光ビジネス都市」という構想があったからです。澤田さんはこの構想についてこう語っています。

「このテーマパークはちょうどヨーロッパのモナコと同じ広さ。観光をはじめ、買い物、ビジネス、医療と行った様々な目的で日本だけではなくアジアや世界から客が集まり、滞在する都市を目指したい」『H.I.S澤田秀雄の「稼ぐ観光」』経営学(木ノ内敏久)

テーマパーク事業は、イベントの成否に結構左右する不安定なビジネスモデルなので、テーマパークを核としつつ、ショッピングや、ビジネスや、医療など様々な目的で、ハウステンボスを訪れてもらうという構想なんですね。

もうこれは、テーマパークという概念を超えていて、「都市」を作るというモデルです。定住人口も増やすつもりですからね。

構想のスケールがかなり大きいです。

「テーマパークに遊びに行く」というのは非日常なイベントで頻繁には行こうと思いませんが、ショッピングなんかは日常的なイベントで、ショッピング目的でハウステンボスに行くのもアリだなということになるわけですね。

長崎初上陸の飲食店とか、洋服屋とかがあれば、それですら足を運ぶ理由になるというわけですね。

例えば、ハウステンボスの中には「カステラの城」と呼ばれるカステラが200種類以上集まった、ショップがあるんですが、これも大きな反響を呼びました。

出典:http://www.huistenbosch.co.jp/shopping/castelo-de-castella/

長崎といえばカステラですが、こういうカステラが一堂に集まった、ショップって今までなかったんですよね。これもハウステンボスに行く理由になるわけです。

1-3.マーケットインのデメリット

「テーマパークは楽しいから行く!」という顧客のニーズにフォーカスし、マーケットイン的な戦略に転換したことで、ハウステンボスは復活したのですが、マーケットインにデメリットはないのかというと、そうではありません。

マーケットインに100%傾倒することは大きなデメリットがあります。

マーケットイン100%というのは「消費者に、何が欲しいか(ニーズ)を聞いてそれを与えるだけ」です。

例えば、マーケットインを徹底させるなら、膨大な顧客調査(アンケート)をやって、見込み客と呼べるユーザーを集めて、ミーティングさせて、商品企画をすることになります。

これ大手の広告代理店とかならやっているはずで、マジックミラーでミーティングの風景を見るというところもあるらしいです。

でも、これを100%汲んで、何か企画をやっても面白みのないものしかできません。

というのも、そうやって意見を言ってる顧客というのは素人だからです。発想も素人の域を出ません。

例えば、「どん底状態にあったハウステンボスを立て直すためにどうすればいいですか?」「どんなテーマパークにしたら、お客さんは来てくれますかね?」って入園して来たお客さんに聞いても良い回答が出てこないのは容易に想像できると思います。

スティーブ・ジョブズはこう語っています。

製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。

お客さんっていうの不平不満は言うかもしれないけど、結局、どんなものが欲しいのか、どんなものがウケるのかということは、顧客はビジネスに関しては素人だから、その回答を持っていない場合が多いんですね。

素人A、素人B、素人C、素人D、素人Eが集まっても、そこから出て来る答えなんて知れています。笑

絶対に澤田さんがハウステンボスを立て直したような斬新なアイディアは出てこない。

iPhoneなんていう革新的なアイディアって、素人の意見の寄せ集め的に企画を組んでも絶対に生まれなかったものだと思います。

2000年代後半から、日本の大手企業の多くは参入してきた海外企業に劣勢を強いられることになりましたが(特に家電メーカなど)、この原因の一つには「素人同然の市場や顧客のニーズを意識しすぎた点(マーケットインへの過剰な傾倒)にあるとAppleのスティーヴ・ジョブズは指摘しています。

もし、素人の意見の寄せ集め的に企画を組んでヒットが生まれるんだったら、日本のメーカーがAppleにこれだけ後塵を拝する結果になっていかなったはずです。

あくまでも、お客さんから集めるニーズというのは参考程度に考える必要があります。鵜呑みにして、それに全て対応させる必要はありません。

それに全て対応していたら、超絶つまらないものしか生まれません。

例えば、バラエティ番組を作るとしても「家族で一緒に見られるような内容で」「過激な表現や演出はやめて欲しい」「あの芸能人の人は出さないで欲しい。不愉快だ」「お年寄りには分かりやすい内容がいい」「クイズ番組は家族で参加できるので楽しい」っていう意見なんかを全て、寄せ集めてたら、当たり障りのない超絶つまらない番組ができますよ。笑

まぁ、今のテレビ業界はそんな雰囲気はしています。

確かに視聴率はそれなりには取れるんでしょうが、本当にコンセプトのある面白いヒット番組は生まれないです。そういう番組をDVD化しても絶対に売れません。

それに顧客調査で集められる意見というのは顕在化しているニーズでしかありません。

同じ分野で勝負しているライバル企業が同じような調査を行えば、同じような回答が出てきます。これこのまま作ったら、同じようなものが出来上がります。

はい、価格競争の始まりです。笑

ハウステンボスは、バランスよくマーケットインを取り入れています。

幅広い意見を収集しつつ、最後はより視座の高い澤田さんが統合して、より高次元のアイディアにしてるんです。

澤田さんは「何でもかんでも、お客さんが楽しけりゃいい」っていう感覚でコンテンツを追加していません。ある哲学に基づいて、戦略を組んでいます。

もちろん、そんなデメリットはありつつも、ビジネスの基本として「お客さんのニーズを把握する」っていうのは大事ですよ。

これやっていない人も多いんですが、これやらなかったら、全く誰も求めていないような、的外れなことになってしまいますからね。

ただ、そのお客さんのニーズというのは参考程度にとどめておく必要があるということです。

2.プロダクトアウトとは

では、続いて、プロダクトアウトについて解説していきたいと思います。

2-1.プロダクトアウトの意味とは

「プロダクトアウト」という言葉はよく「マーケットイン」と対比させて使われます。

「マーケットイン」というのは先ほど見たように顧客のニーズから発想してビジネス活動を行うことですが、「プロダクトアウト」というのは、自分(自社)の本音から発想してビジネス活動を行うことです。

発想が自分(自社)ありきなんですね。「これを売りたいから売る」という感覚に近いです。

ハウステンボスは、そもそもこのプロダクトアウトから始まっています。

このテーマパークは、そもそも「環境先進国オランダの国造りの歴史に学んで人口3万人が定住する未来都市を築きたい」という創業者の神近義邦さんの熱い想いから始まっているわけですね。

ハウステンボスの原型となる構想は、神近さんが仕事でヨーロッパ旅行に出かけた時に、地中海クルーズ船で出会ったオランダ人が話した、日本とオランダの交流史とオランダの国造りの歴史を語ったことから始まったと言われています。

オランダは園芸産業では世界第3位の輸出国で、欧州連合(EU)各国などに花、植物、球根、種子などを供給し、世界各地で栽培されている花や植物の40%以上がオランダ産の品種である。中世から干拓によって自然環境と調和する国造りを進めたことでも知られる。面積は九州とほぼ同じ約4万平方キロメートルしかない小国だが、農産物輸出では世界第二位で10%前後の世界シェアを持つ『H.I.S澤田秀雄の「稼ぐ観光」』経営学(木ノ内敏久)

この未来環境都市に掲げたコンセプトは「エコロジー(環境)とエコノミー(経済)の両立」です。

神近さんはハウステンボスへの思いをこう語っています。

最近の日本は全国同じような形をした家が並び、個性的な街並みはほとんど姿を消しています…重厚長大産業からハイテク産業へという技術革新をベースにした産業構造の変化に対応しようとするのではなく、人間の生活する環境を作る新しい産業への転換が必要だと思います…今回のハウステンボス計画は、オランダ村、バイオパークの通過型施設から一歩進めて、滞在型と定住型を組み合わせた施設づくりを目指しています…このハウステンボス計画を成功させることによって、日本全国にトータルな環境を持った素晴らしい「街」を次々に誕生させることが可能です。私は、新しい分野の産業としての確かな手応えを感じています『ハウステンボスの挑戦』(神近義邦)

今、ハウステンボスがテーマパークの枠を超えた「都市」としての構想を推し進めていくことができているのは、この創業者の神近さんの尋常じゃないスケールの哲学と情熱があったからです。

ハウステンボスの土地は東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたほどの広大な面積を持っているんですが、元々、ここは工業団地でした。

今のハウステンボスを見たらそれは想像できないことだと思います。工業団地って言えば、ヘドロが出るわ、雨が降っても地下に浸透しないので、植物からすると死んだ土地ですからね。

神近さんは、600億円をかけて、工業団地の土地を自然に蘇らせるために土壌づくりから始めました。

そのおかげで、ハウステンボスは園内に数十万本の樹木と花が咲くことができているんですね。

更には、運河の下には給排水や電力、通信などのライフラインまで作ったというから驚きですよね。インフラ投資ですよ。

更に当時で考えられる最新の環境技術は全て取り入れ、生ゴミを肥料として再利用できるようにするシステムの導入や、排泄物から出るメタンガスから水素を取り出し、酸素と反応させて電気と水を作るという循環システムまで導入しようとしたくらいです。

神近さんがどれだけ情熱を持ってハウステンボスを始めたのかがよく分かります。

2-2.プロダクトアウトのメリット

では、話をプロダクトアウトに戻すと、プロダクトアウトのメリットというのは、ユニーク性が生まれやすくなるということです。

プロダクトアウト型だと「まだ世の中に形として存在していない」ユニークなものを生み出すことができます。

マーケットインと違って、プロダクトアウトは発想の枠が、基本的には自由だからです。

マーケットインは、まずは顧客のニーズありきから発想するんです。だから、マーケットインに傾倒しすぎると、顧客の既存のニーズの枠の中で発想し、それに対応するというありきたりな商品しか生まれません。

iPhoneブームが起きてから、日本のメーカがこぞって同じよなスマホを作るみたいなもんです。一定数は売れるけど、絶対にiPhoneには勝てない。

でも、プロダクトアウトは自分ありきなんで、自分の発想の元に自由に考えられる。テーマパーク的なものを作るとしても、既存の概念を大きく塗り替えることだってできる。

ハウステンボスなんかそうですね。「お客さんがいっぱい集まってくるようなテーマパークを作ろう」じゃなくて、「エコロジーとエコノミーが両立する未来環境都市を作ろう」ですからね。

そりゃあ、ユニークですよ。

こんな構想をぶち上げて形にしようとしたのって、ウォルト・ディズニーくらいでしたよ。実現はしませんでしたが。

死の直前まで、フロリダでEPCOTという観光地であると同時に、人々の居住の場所となる都市を作ろうとしていました。

でも、とにかくプロダクトアウト型というのは、まだ世の中に存在しないようなユニークなものを生み出すことができる可能性があるということです。

2-.3プロダクトアウトのデメリット

ただ、プロダクトアウトにもマーケットインと同様に大きなデメリットがあります。

プロダクトアウトに傾倒しすぎると、独りよがりなものが生まれるということです。ビジネス的にえば「売れない」「集客できない」ということになります。

プロダクトアウト100%っていうのは「自分だけが良いと思うものを提供する」ということです。

例えば、極端な例ですが、日本でラーメン屋さんをするとして、「ミミズラーメン」を考案したとします。

そのご主人は、虫を食べるのが大好きで(実際にこういう人はいます)、海外から虫をかっては冷凍して日々食べています。基本、日常は、昆虫食です。

もちろん、「ミミズラーメン」は日本初です。ユニークです笑

でも、これビジネス的にうまくいきますかね?ってことです。多分、うまくいかないですよね。話題にはなるかもしれませんが、炎上しそうですw

ビジネスというのは、誰かに共感されないと成り立ちません。

「これいいでしょ?」って言ったら、「これいいですね!」って共感されないと、絶対に広がっていきません。

ハウステンボスが18期連続赤字を続けることになった原因は、プロダクトアウトに寄り過ぎていたからです。

確かに、構想のスケールはでかいし、これからの時代に必要とされるだろうし、園内の施設投資額も膨大なものがあったけど、お客さんの目線からすると、利用したいとは思わなかったんですよね。

だから、客足がピタッと止まってしまった。ズレているという感じです。

小規模のビジネスモデルであれば、共感される人は少数でも成り立ちますが、マスを相手にする大規模なビジネスモデルであれば、大勢の人に共感される必要があります。

澤田さんは、そこを巧みに修正したんですよね。

娯楽拡大路線に、単純にお客さんが行きたくなる理由がある施設へと舵を切ったんです。

もちろん、完全なテーマパークを目指したというわけではありません。澤田さんは「観光ビジネス都市」を目指しています。

テーマパークを核としつつ、ショッピングや、ビジネスや、医療など様々な目的で、ハウステンボスを訪れてもらうという方向ですね。

2-4.プロダクトアウトとマーケットインの融合

プロダクトアウトとマーケットインは、どっちもメリットもあるし、デメリットもあります。

やっぱり、プロダクトアウトもマーケットインも良きバランスがあると思います。

ハウステンボスが完全に「楽しけりゃなんでも良い」ってことでテーマパーク化して、東京ディズニーランドやUSJと同じ方向を目指して走り出しても、それはそれでチープに見えてしまうし、あまり魅力を感じないです。

でも、逆にストイックに「エコロジーとエコノミーの両立」っていう創業時の理念を掲げてストイックに施設づくりをしていても、興味のある人だけしか行かないでしょう。

今掲げている「観光ビジネス都市」っていうのは、そういう意味で絶妙なバランスで成り立っていると思います。

そりゃあ、もう施設のキャパシティが追いつかないくらいにまでお客さんが集まるのは理解できます。

で、プロダクトアウトとマーケットインを融合させることができるのが、ベストなんですが、これをもう少し、具体的に言語化すると、「コアとサイレントマジョリティーを融合して、形にする」ってことになります。

この辺については「一瞬で人を惹き付けるブランドコンセプトの作り方と例」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

コアというのは「自分が実現したいと考える理想世界(理想の未来)」のことで、サイレントマジョリティーっていうのは「声には出さないけど、見込み客の人が共通に抱えている悩みや願望」のことです。

これを形にできるとでかいですよ。

だって世の中で、求められているんだけど、まだ形になっていないので、形にしさえすれば、ヒットするに決まっています。

更に、それは自分のコアと共鳴しているので、情熱を持って推し進めることができるという。

僕は、これがマーケットインとプロダクトアウトの絶妙なバランスだと思っています。

例えば、これは前にも紹介しましたが「撮影女子会」っていうサービスは、これもそういう絶妙なバランスでできているサービスです。

このサービスは当時女子大生だった中村朝沙子さんが「欲しい女子会がないなら、自分でつくってみよう」ということで始めたサービスです。

当時の女子会はというと、飲食店で、悪口や噂話で盛り上がるなど、”女の子の化けの皮が剥がれる場”になっていたので、そのことに嫌気がさしていて、もっとポジティブな女子会はできないのかという思いがあったそうです。

ここがプロダクトアウトの部分ですね。

撮影女子会のコンセプトは「ドレスアップから写真撮影まで1日ヒロイン気分を味わえる新しい女子会をあなたに」です。

サービスは、100着以上のドレスから自分の好みのドレスを選んで、プロのヘアメイクを受けられて、ドレスアップした状態で、個人撮影やグループ撮影などを行なって、最後にスイーツを囲んで女子会をするというものです。

全く、新しい形の女子会を世の中に提案したんですね。

良かったのが飲食店で、悪口や噂話で盛り上がるなど、”女の子の化けの皮が剥がれる場”になっていたので、そのことに嫌気がさしている人が潜在的に大勢いたことです。

ここがサイレントマジョリティーの部分です。

素晴らしく絶妙に入っているので、もちろんヒットしています。

まとめ

では、最後に今回のまとめをしておきたいと思います。

まず、マーケットインとは「顧客のニーズに合わせたビジネス活動を行うこと」を指します。

マーケットインのメリットとしては「お客さんの望むものにフォーカスすることで、ズレがなくなり、全く売れないということはなくなる」ということをお話ししました。

もう既に顕在化しているニーズにフォーカスして、売るんですから、全く売れないということはなくなる。それなりに売れる。

でも、マーケットインにはデメリットがあって「マーケットインに傾倒しすぎると、革新的なものが生まれにくくなる」ということがあります。

なぜなら、素人の意見(顕在化したニーズ)を集めてきても、それは結局、ビジネス感覚のない素人の意見だから、既存の枠組みの発想の域を出ません。

そして、プロダクトアウトとは「自分(自社)の本音から発想してビジネス活動を行うこと」を指します。

プロダクトアウトのメリットとしては「今までになかったユニークなものが生まれやすくなる」ということです。

ただし、こっちにもデメリットがあって、傾倒しすぎると、独りよがりなものになってしまって、誰からも共感されないものが生まれてくる可能性があるということです。

マーケットインとプロダクトアウトには、それぞれメリットもデメリットもあるので、要はバランスがとても重要です。

その絶妙なバランスというのは「コアとサイレントマジョリティーを融合させる」ことで生まれてきます。

「観光ビジネス都市・ハウステンボス」「撮影女子会」は、このコアとサイレントマジョリティーが絶妙なバランスで混じり合っている事例として紹介しました。

では、今回は以上になります。お疲れ様でした!

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中江 翔吾
名前:中江翔吾。職業:デザイナー&Web集客コンサルタント。一流のデザイナーからグラフィックデザインを学び、フリーランスのデザイナーとして活動を開始。その後、インターネットマーケティングを学び、独自のネット集客の仕組みを構築。現在は、デザインとネットマーケティングの視点から「コミュニティ集客術」を提唱し、個人を始め中小規模のビジネスモデルを運営している人たちに集客の仕組み作りを提供している。
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プロフィール
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中江 翔吾 / Shogo Nakae
グラフィックデザイナー / Webデザイナー / コンサルタント
1991年3月生まれ。大阪府出身。

はじめまして!ブランドクリエイターの中江翔吾と申します。

「CREATE A BRAND」をコンセプトに、ブランド構築や集客を起こしていくためのデザイン制作(Web、グラフィック)とコンサルティングを提供しています。

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