どうも!ブランドクリエイターの中江です。
今日は「商品コンセプトの作り方」というテーマでお話していきたいと思います。
Contents
1.商品コンセプトとは
商品コンセプトとは、一言で言うと、商品の価値を言語化して、一言でまとめた表現になります
例えば、イギリスのスポーツ用品ブランドのリーボック社が発売して、世界的な大ヒットとなった商品に「イージートーン」というシューズがあります
画像出典:https://yamahack.com
イージートーンのコンセプトは何かというと
履くだけのジム
です
イージートーンには「バランスポッド」という空気が注入されたソールが内蔵しています。
その「バランスポッド」が、柔らかいクッションの上に乗ったような微妙な不安定さを生み、ハムストリング筋、腓腹筋(ふくらはぎ)、大臀筋など美脚、ヒップアップに欠かせない筋肉を鍛えます。
この商品は、ジムにも通えない、トレーニングする時間がないほど忙しい、働く女性向けに開発された商品で、まさにそうしたターゲット層が思わず欲しいと思うようなコンセプトだったため、世界的な大ヒット商品となりました。
「履くだけのジム」というコンセプトは、そのシューズの価値を一瞬で伝えることに成功しているという点で、表現として、非常に秀逸なコンセプトです。
2.なぜ、商品コンセプトの作成は必要か?
今の時代というのは、どんな業種業界であっても、商品・サービスが溢れている時代です。
また、特にインターネットがあるので、探している商品・サービスの情報というのは、一覧で比較検討できてしまいます。
例えば、今、食べログで「渋谷のラーメン屋」を探したら、108件もの店が出てきます。
地域密着型の事業ですら、これだけの数が出てくるので、商圏が全国となるようなモノを扱っている場合は、もっと競合の情報が出てくるでしょう。
それだけ多くの情報が出てくる中で求められているのは、瞬時に
他とは何が違う商品なのか?
という価値を伝えることです。
商品・選択において、あまりにも膨大な数がでくる場合には、人はいちいち、自分から情報を取りに行き、細かく比較検討はしません。
つまり、一瞬で価値が伝えられない商品は、どれだけ質の高い商品であったとしても、見向きもされません。
例えば、このイージートーンのコンセプトが
空気が注入されたバランスポッド内蔵のシューズです
というようなものだったら、その価値は伝わりませんし、どれだけ商品力が高かったとしても、まだその商品の良さを体感していない見込み客からはそもそも目にすら止まらないという訳です。
だからこそ、商品コンセプトは、それぞれの商品に必要になってくるという訳ですね。
3.商品コンセプト作成の具体的な方法
では、次に、具体的なコンセプトの作り方について解説していきたいと思います。
3-1.ターゲットの明確化
まず、一番最初のステップとして、この商品コンセプトに価値を感じる、ターゲットを明確にしましょう。
まず、商品コンセプト作りにおいてのポイントは、どれだけ完成度が高いコンセプトが作れたとしても、全ての人が価値を感じるようなものは作れないということです。
例えば、先ほどのイージートーンの「履くだけのジム」というコンセプトは、完成度は非常に高い訳ですが、このコンセプトに価値を感じる人もいれば、価値を感じない人もいます。
例えば、時間とお金に余裕があり、健康意識が高い経営者の人は
日常のシューズを変えるだけで、ジムの代わりになるわけがない。本気で理想体型を作りたいなら、パーソナルトレーナーをつけて、食事から、運動までのアドバイスを受けるべきだ
と考える人もいるかもしれません。
逆にそういう人は「結果にコミットする」というコンセプトを掲げるRIZAPのようなサービスに価値を感じるかもしれません。
画像出典:https://www.rizap.jp/
ただ、このRIZAPの商品コンセプトも完成度は高いですが、全ての人に響く訳ではありません
そもそもジムに通うお金も時間もないという人には、イージートーンのようなコンセプトの方が響くという訳です。
なぜ、万人に響くコンセプトができないのかというと、人によって、人生において何が大切なのかという価値観が違うからです。
商品・サービスを購入する可能性がある人には、様々な層がいます。
だからこそ、まず、明確にしないといけないのは、この商品は、どんな人に価値を感じてもらうことを目指す商品なのかということです
ターゲットを考える際のポイントとしては、年齢、性別、地域、家族構成、仕事、年収、ライフスタイルといった属性と、価値観、願望、悩みなどの内面から、考えて、言語化するのがポイントです。
例えば、「NAKATA HANGER」という木製のハンガーを製造・販売するブランドがあります。
画像出典:https://www.nakatahanger.com/
ハンガーって、今は本当に安いモノだと、100均で買える時代で、高いモノでも、3000〜4000円な訳ですが、この「NAKATA HANGER」は
世の中にない最高品質の木製ハンガーを製造する
ことを目指して、5000円を標準ラインに、中には3万円を超えるようなハンガーを取り揃えています。
では、一体、このハンガーは誰をターゲットにしているのかというと、「プラスチックのハンガーを使うとスーツやコートが型崩れしてしまう」と悩んでいる方や「5年、10年と着続けるものを購入した場合は、買った時の型のまま長くき続けたい」という方を対象に作られています。
まとめると、「一生もの衣服を型崩れさせたくない」という層がターゲットとなります。
こういうイメージで、ターゲットを明確にしましょう。
3-2.プロダクトプロミスの作成
そして、次に、プロダクトプロミスを作成していきます。
プロダクトプロミスとは、商品を購入してくれるお客様に対する約束のことです。
つまり、
この商品を購入してくれたら、あなたにこういう理想の未来に導くことをお約束します
という宣言です。
これを設定しておくと、「この商品を買うと、こんな理想の未来が手に入る」と認識させることができるので、商品の購入に繋がりやすくなります。
良い商品コンセプトの中には、必ずこれが入っています。
例えば、先程の「NAKATA HANGER」なら
一生ものの衣服を型崩れさせない
というのがプロダクトプロミスです
これがあるからこそ、「5年、10年着続けることになる高いスーツは型崩れさせたくない」という人たちに響く訳ですね。
また、この約束というのは、ターゲットの人から見て、魅力的である必要があります。
例えば、この「NAKATA HANGER」のプロダクトプロミスが、
木の香りと笑顔をお届けします
だったら、どうでしょうか?
このプロダクトプロミスであれば、「衣服の型崩れに悩んでいる人」には響きませんよね。
なので、ターゲットが心から望む結果を表現として作成するようにしましょう。
そして、これも絶対に忘れてはいけないポイントなのですが、このプロダクトプロミスは必ず守れるように、商品・サービスの設計をすることです。
コンセプトが良ければ、商品・サービスの購入には繋がりますが、実際に利用してみて、「全くプロダクトプロミスが守られなかった」となれば、顧客は離れ、悪い口コミすら起きるようになり、事業は衰退していきます。
例えば、イージートーンは、世界的なヒット商品にはなりましたが、実はもう販売は停止されています。
これには諸説ありますが、一つは過大広告が原因だったとされています。
リーボック社は2009年から
イージートーンを履いて歩くと、他の運動靴と比べヒップが28%引き締まり、ふくらはぎの筋肉が11%多くつくことが証明された
という広告を出して、多くの人が購入した訳ですが、実はこの数値に科学的な根拠はなく、リーボック社は、アメリカ連邦取引委員会(FTC)から、2500万ドルの賠償命令を受けています。
もちろん全ての人がそうではないと思いますが、「イージートーンを買ってみたけど、全くダイエット効果がなかった」と感じた人は、リピートはしませんし、むしろ悪い評判すら広めていたかもしれません。
特に今の時代は、個人がそれぞれSNSで発信できる時代なので、「過大広告」というのは一気にバレてしまい、すぐに炎上、信頼の失墜へと繋がります。
なので、その辺りも注意しながら、プロダクトプロミスを作成してください。
3-3.選ばれる理由を明確にする
では、次のステップは、その商品の選ばれる理由を明確にすることです。
商品の選ばれる理由とは、
- 強み
- 独自性
- 実績
のことです
その商品には他の商品とは違う価値があると認めてもらうためには、それをちゃんと言語化する必要があります。
どれだけ凄腕カメラマンに木製のハンガーを撮影してもらっても、その写真だけでは、そのハンガーの本当の価値は伝わりません
- どういう木材を使っているのか
- 職人がどんなプロセスで加工しているのか
- 耐久性はどうか
- これまでの販売実績
- どんな著名人の人が使っているのか
などを言語化しておくことで、「普通のハンガー」ではなく、「特別なハンガー」だと認識されるようになります。
そして、これが明確に提示できることで、
このハンガーなら、型崩れが起きない
ということに確信を持ってもらえるようになります。
なので、この選ばれる理由も思いつくまま、箇条書きで良いので書き出してみましょう。
3-4.キャッチコピーの作成
そして、ここまでくれば、商品コンセプトを作る素材は、全て洗い出せていることになるので、最後に、キャッチコピーにして、シンプルな表現に落とし込んでいきます。
ただし、いきなりキャッチコピーのように、洗練された表現を作り出すのは難しいので、まずは、
- ターゲット
- ブランドプロミス
- 選ばれる理由
を考える中で、出てきたキーワードを書き出していきましょう。
例えば、イージートーンであれば「痩せる」「シューズ」「靴」「ダイエット」「美脚」「レディース」「忙しい」「効率的」「手軽」「トレーニング」「履くだけ」などのキーワードがあったかもしれません
このキーワードの抽出作業は、思いつく限り書き出してみましょう。
この時点で、正しいも間違っているもないので、とにかく関連するキーワードを書き出していくのがコツになります。
また、このキーワードの抽出作業は、一人でやるよりも複数人でやった方が良いアイディアは生まれやすいです。
そして、最終的には、この出てきたキーワードを組み合わせて、まとまったキャッチコピーの表現を作っていきましょう
3-5.商品コンセプトのチェック
最終的にコンセプトのキャッチコピーができたら、3つのポイントからチェックしていきます
3-5-1.表現が簡潔で意味が理解できるか
まずは、表現が簡潔で意味が理解できるかということです
当たり前ですが、ターゲットが見た時に、意味を理解できない商品コンセプトは、価値が伝わらないのと同義なので、これは避けたいところです。
よくあるのが、一般の人が理解できない難解な専門用語を使ったり、難しい英語表現を使ったりすることです。
どれだけ方向性として素晴らしい商品コンセプトを作ったとしても、伝わらなければ意味がないので、中学生が見ても、意味が理解できる言葉を選びましょう
3-5-2.商品を使った先の未来が想像できる
次に、これが本当に重要なのですが、その商品コンセプトの表現を見たときに、「商品を使った先の未来が想像できること」です。
この条件を満たしていれば、非常に選ばれやすくなります。
コンセプトだけでなく、ネーミングも非常に上手なのが、子ども用のスポーツシューズ「瞬足」です。
画像出典:https://www.achilles-shoes.com/
もうこれは名前からして売れます
この名前を見た時に誰もが
履くだけで、足が早くなれそう
ということが想像できるからです
商品コンセプトは「コーナーで差をつけろ」です。
小学校の運動会のかけっこで、バランスを崩したり、転倒するのはほとんどがコーナーに差し掛かった時に起こります。
そのコーナーでもバランスを崩さずに全力で走れるように開発されたシューズだということですね
こういうものが理想です。
また、「商品を使った先の未来」は、具体的に、誰が見ても、イメージが共有できる方が良いです。
例えば、
幸せで穏やかな時間を約束します
というような漠然とした抽象的な表現では、微妙だということです。
例えば、「幸せ」なんてものの定義は、人によって異なりますし、「穏やかな時間」も漠然とし過ぎていて、具体的にイメージができないので、「自分毎として捉えてもらえない」傾向になります。
なので、ターゲットの人が見たときに、具体的に共通してイメージできるものを設定しましょう
3-5-3.独自性が伝わる
そして、最後に、独自性も伝わるとさらにより良いコンセプト表現だと言えます
例えば、全国に600店舗展開するQBハウスのコンセプトは
10分の身だしなみ
です。
画像出典:https://toyokeizai.net/
QBハウスは、通常の美容院や理容院で行うシャンプーやブロー・シェービング等は一切やらずに、カットだけを行います。
カット以外の施術を、やらないため10分で終わるというのが、QBハウスの独自性です。
独自性は入っていると、その商品だけしかない価値が伝わるので、これも含められるのであれば、含めるようにしてください。
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