どうも!ブランドクリエイターの中江です。
今日は「ミッションとは何か」というテーマでお話していきたいと思います。
今日は「ミッション」というテーマを、ブランディングにおける観点からお話していこうと思います。
1.ミッションとは
ミッションとは、「何のために経営しているのか?」という使命であり、「何のためにこの会社は存在しているのか?」という存在意義のことです
経営の世界では、「これを言語化し、定義することが大切だ」ということがよく言われたりします。
例えば、ユニクロの母体であるファーストリテイリングは、
本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
というのをミッションに掲げていたりします
ミッションは、大企業と呼ばれている企業は定めていますが、中小企業で明確に定めているところはまだまだ少ないです。
恐らくこれは「ミッションを作ることが、即、売上につながるイメージができないから」だと思います。
普通だったら、
そんなミッションなんて、抽象的でぼんやりとした言葉を作ることに時間とエネルギーをかけるよりも、明日から売上アップする広告運用の方法を学んだ方が良いでしょ
と思うでしょう。
ですが、実は、このミッションの作成というのは、小手先の、目の前の売上を上げる具体的なテクニックを学ぶ前に、やるべきことです
断言できますが、ミッションがなければ、多くの顧客が熱狂するブランドはできません。
ミッションがなければ、その市場で、競合他社が真似できないような、圧倒的に差別化ができる商品アイディアは生み出せません。
2.ミッションの具体例と重要性
例えば、名古屋に「モンキーフリップ」という眼鏡ブランドがあります。
画像出典:https://monkeyflip.co.jp/
モンキーフリップは、1996年の6月に、裏路地にある八坪の小さなお店としてオープンし、東海地方で世界的なメガネブランドを押しのけて、若い男性から熱狂的な支持を集め、今では
名古屋から世界へ発進するおしゃれでいかついメガネブランド
として、全国の眼鏡店舗でも販売されるようになりました
ちょうど昨日、代表の岸さんの『超人気キラーブランドの始まりは、路地裏の小さなお店から』という書籍を読んでいて、ブランド作りにおいてとても重要な話がたくさん載っていました。
画像出典:http://blog.livedoor.jp/totsukitohka/
ブランディングをテーマにした書籍って、ほとんどが面白くないものが多いんですが、岸さんの書籍は、本質をついていて、かつ面白かったので、おすすめです。
そんなモンキーフリップのミッションは
カッコいいと言われる快感の伝道
です。
岸さんは、元々は強烈なメガネ嫌いだったそうです
というのも、「メガネ君」の昔のステレオタイプのイメージって、勉強はできるけど、運動音痴で、主役というよりは脇役だったからです。
そういうイメージがあったので、ずっとコンタクトをつけていたそうですが、ある日、一本のフランスのブランドのメガネと出会います。
そのメガネは、これまでのメガネに対するネガティブなイメージを吹き飛ばすくらい、カッコよくって、一瞬で虜になるようなメガネだったそうです。
従来の眼鏡は、ただの視力矯正器具であり、フレームもどれも似たり寄ったりで、「かける楽しみはない」というのが一般的な消費者感覚でした。
だから「かけることが楽しみになる」というようなかっこいいメガネを中心に取り扱う店舗を始めれば、絶対に売れると確信して、この店はスタートしました
だから、ミッションは「カッコいいと言われる快感の伝道」なのです。
単なる視力矯正器具ではなく、ファッション性が高いモンキーフリップのメガネは、次第に話題になり、全国誌でも「インディーズメガネ」の代表としても取り上げられるようになり、名古屋のパルコからも出店依頼が来るようになったそうです。
画像出典:https://sakae.keizai.biz/
そして、名古屋パルコの南館に出店をして、モンキーフリップは過去最高の売上を達成しました。
ですが、ここからモンキーフリップは、崩壊寸前まで追い込まれてしまいます。
これは書籍にも書かれていますが、代表の岸さんが
もっと儲けて、儲けたお金で美味しいものを食べたり、車を買ったり、好きな時に南の島にブラーっと出かけることができる生活をしたい
という思いが強くなってしまい、「とにかく規模の拡大だ!」という路線に切り替わったからです。
規模を拡大するには、今のモンキーフリップのターゲット層は、ニッチすぎて、マーケットが狭すぎます。
マーケットが狭すぎると、全国にフランチャイズ展開はできません。
そこで立ち上げたのが「スタンドバイミー」という新しい業態のメガネ店でした。
スタンドバイミーは、事前の予測には届かなかったものの、驚くほど有利な出店条件を提示されたことも手伝って、それなりに売上は伸びていきました。
ですが、「カッコいいと言われる快感の伝道」ということはどこかに忘れ、とにかく目先の販促、目先の売り上げ、「いかに効率的にお金を稼ぐか?」だけを考え、さまざまな手法を求めるようになっていきます。
その頃には、モンキーフリップというブランドの肝となるオリジナル商品の開発にすら、携わらなくなり、どんなモデルが新たにリリースされるかすら知らない状態でした。
従業員に任せっぱなしにした仕入れが過多になったからといって、支払いを平気で割り、問屋さんからの信用はガタ落ちになりました。
売上が苦しいと、とりあえず、安易にセールもするようになりました。
店舗出かけるBGMもモンキーフリップの世界観を体現する音楽ではなく、バイトの子の好みの音楽が流れるようになりました。
現金管理はずさんになり、売上金がそっくり無くなったこともあったそうです。
モンキーフリップも、スタンドバイミーも、一気に売上が落ちました。
セミナーで学んだ様々な売上アップ手法を試しても、無駄でした。
資金繰りに苦しくなり、お金のことで寝られなくなり、焦って、在庫一斉特別値下げセールを実施し、さらにブランドのファンは更に離れました。
毎日、モンキーフリップに出勤することすら嫌になり、最終的には、うつ病にまでなったそうです。
ミッションを忘れた、モンキーフリップは顧客が熱狂してきた「モンキーフリップらしさ」を失ったのです。
もし、このままの状態が続いていたら、モンキーフリップというブランドは間違いなく潰れていたでしょう。
「何のために経営するのか?」というミッションを忘れると、多かれ少なかれ、このような状態に陥ります。
岸さんは幸運なことにも、モンキーフリップとは全然関係のない、大好きなデザインやモノづくり関係の仕事の依頼が舞い込み、それに没頭することで、徐々に、活力を取り戻していきます。
そして、自分を信じられるようになると、モンキーフリップを立ち上げた時の気持ちを思いだし、もう一回頑張ろうと思えるようになりました。
モンキーフリップに足りないものってなんだろう?
そう考えると、足りないのは、ブランドの内側にあるべきどっしりとした一本の芯「なぜ、モンキーフリップはモンキーフリップであるのか?」という存在意義(ミッション)でした。
そして辿り着いたのが
カッコいいと言われる快感の伝道
というミッションでした。
そこから、このミッションに基づき、再度、仕入れも販促も商品もターゲティングも、再設計したところ、打ち手がどんどん当たるようになり、売上もどんどん伸びるように完全な復活を遂げました。
どんな事業をするにせよ、「ブランドのらしさ」っていうのは大切です。
この「らしさ」がブランドの唯一無二の個性を作り、希少価値を作るからこそ、高単価でも競合が増えても選ばれ続けるようになります。
そして、この「らしさ」の根源がミッションです。
- なぜ、あなたはこの会社を経営しているのか?
- この会社の存在意義は何か?
この問いに対する答えは、経営者の人生ストーリーに眠っています
モンキーフリップが眼鏡ブランドとして唯一無二の価値を持っているのは、ミッションの中に、岸さんの人生が投影されているからです。
「メガネなんてダサくて、絶対にかけるのは嫌」と思っていた時に、「掛けたくてかけたくてたまらないくらいかっこいい一本の眼鏡」と出会ったというそのストーリーがあったからこそ、「カッコいいと言われる快感の伝道」というミッションは生まれました。
これは岸さんのストーリーであり、競合他社が後追いで真似できるものではありません
仮に、後からどこかの企業が、モンキーフリップがそのスタンスで事業が順調にいってるからといって、真似しても、所詮は二番煎じで、一番最初に始めたブランドの劣化版でしかないので、勝てるわけはありません。
しかも、後から真似するブランドには、確たるミッションも、ストーリーもないため、非常に浅いブランドしかできません。
モンキーフリップにはブランドの世界観を守る掟として
- ライフスタイルとしてかっこいいこと
- 遊び心が必ずあること
- デザインであること
- リーズナブルであること
- 適正な品質であること
という5箇条があるのですが、後追いのブランドは、これを守り切る情熱もありません。
売上が基準なので、一時的に売上が下がれば、どんどん方針転換し、どんどんらしさを失い、無個性なブランドになっていくでしょう。
無個性なブランドに、どれだけお金をかけて、広告のプロフェッショナルを雇っても、売上は上がりません。
個性ある、希少価値の高い、唯一無二のブランドだからこそ、「売上を上げるテクニック」も活きてきます。
なので、これを機会に、自分のブランドのミッションについて、ぜひ、考えてみてください。
3.ミッションの作り方
ポイントは、
- なぜ、その事業を始めようと思ったのか?
- どんなお客様に喜んでもらいたいのか?
- その人たちにどんな風になってもらいたいのか?
といった想いをまずは言語化してみてください
そして、それを最終的には
カッコいいと言われる快感の伝道
というようなキャッチコピーの形にして、落とし込みましょう。
キャッチコピーを考える際には、想いの言語化をする過程で出てきたキーワードを書き出して、組み合わせていくのがコツになります。
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