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2018.1.10 (更新日:2021.7.28) | ブランディング戦略

ポジショニングとは|圧倒的なポジションを構築する戦略

ポジショニングとは|圧倒的なポジションを構築する戦略

どうも!ブランドクリエイターの中江です。今回は「ポジショニングの意味とは|ポジショニング戦略と例を紹介」というテーマでお話していきたいと思います。

今回はマーケティング用語の「ポジショニング」がテーマですが、このポジショニングの威力を理解するためには、関西最大のテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復の例を見るのが良いでしょう。

2001年3月31日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は大阪の最大のテーマパークとして華々しく開業しました。

日本では、今までになかった「映画のテーマパーク」(ET、ジュラシックパーク、バックトゥーザ・ヒューチャー、ターミネーターなど)として話題を呼び、1年目の来場者数は1000万人を突破しました。

しかし、その後、来場者数は右肩下がりに減少し続け、800万人前後に落ち込み、相次ぐ不祥事(賞味期限切れの食材の使用など)も重なり、2004年には事実上、一度、経営破綻していました。

その後、社長も交代し、映画以外の要素もテーマパーク(ハローキティ、スヌーピーなど)を取り入れたりするものの、来場者数は変わることはなく、2010年には、700万人前後に落ち込みました。

そんなユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2010年6月に大きな変革の潮目を迎えます。社内に現執行役員の森岡毅さんが社長の右腕としてユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に入り、様々な改革を行ったからです。

そして、その結果、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の2015年の来場者数は1390万人へと上昇し、年間では東京ディズニーシーを抜くほどの快進撃を見せました。

森岡さんが先頭に立ち、行った改革の一つに「ポジショニング戦略」があります。

ポジショニング戦略というのは、「業界内における、自分(会社・商品)の独自のポジションを定義すること」です。

今は同じような商品・サービスにあふれている時代です。同じ品質、価格、機能の商品・サービスだらけです。

だからこそ、業界を客観的・俯瞰的に見た上で、自分のビジネスの立ち位置を明確に定義せずに、ビジネスをやってしまうと、遅かれ早かれ、集客に困るか、価格競争に巻き込まれてしまいます。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は「映画のテーマパーク」から「世界最高のエンターテイメントを届けるテーマパーク」へとポジションを移しました。

その結果、生存競争が激しいエンターテイメント業界の中で、たった5年で来場者数を約2倍にするという見事な復活劇を遂げることができました。

今回はそんなポジショニングの意味(定義)や例や方法について詳しく解説していきたいと思います。

では、早速始めていきましょう。

1.ポジショニングとは(定義)

まずは、ポジショニング戦略の具体的な方法に入る前に、ポジショニングの例と意味を紹介していきたいと思います。

1-1.ポジショニングの事例|ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の場合

ポジショニングを理解する上で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復というのは、非常に良い例になるので、まず最初にご紹介していきます。

最初に結論を言ってしまうと、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)がV字回復を成し遂げたのは、テーマパークとしてのポジションを大きく変化させたからです。

もともと、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、開業当初は「映画のテーマパーク」として出発しました。

ET、バックドラフト、ジュラシックパーク、ジョーズなど、アトラクションや世界観は、全て映画で統一されていました。

しかし、その後、客足は遠のき、1年目に超えていた年間来場者数1000万人という数字を超えることはなく、次第に減少していき、様々な施策(映画以外の要素のハローキティやスヌーピーのエリアを取り入れるなど)を試みるものの、一向に来場者数は伸びる気配はありませんでした。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の再建を任された森岡さんが就任したのは、八方塞がりのこんな時期でした。森岡さんが最初にしたことは、徹底したリサーチでした。

そのリサーチで浮かび上がってきたのは「映画のテーマパーク」というポジションの限界でした。

確かに「映画のテーマパーク」というポジションには、日本のどこのテーマパーク(競合)を探してもないユニークな価値を持つポジションでした。

実際にアトラクションは、世界最先端のアトラクションを持つアメリカのユニバーサル・スタジオから完全に輸入していて、品質も最高レベルです。

コンセプトも明確だし、アトラクションの品質も悪くない。でも、年間の来場者数は減少し続け、1年目の1000万人という数字を超えることができない。

「なぜ、だろう?」と考えた、森岡さんは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の来場者の年齢別のデータ(情報)を洗い出します。

それをディズニーランドの来場者のデータと比べた時に、見えてきたのが、明らかに小さい子供を連れた、ファミリー層を取りこぼしていたということです。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は「映画のテーマパーク」という絞り込みをしていたことで、小さい子供連れの家族は非常に行きにくいテーマパークでした。

実際にその当時は、身長制限を設けられたアトラクションばかりで、小学校にもまだ入っていない子どもたちが遊べるようなアトラクションは少なかったんです。

テーマパークの方向は、大人だけを向いていて、小さい子どもへの配慮はあまりないような構造だったんですね。

一方のディズニーランドはというと、小さい子供から大人までが楽しめる全方位型のテーマパークなので、年齢を問わずに、満遍なく集客できていたというわけですね。

ディズニーランドが全方位型のテーマパークということは、このCMを見てもわかるかと思います。

それに加えて、森岡さんが気づいたのは「映画だけのテーマパーク」というのは、需要が少なすぎるということでした。

実際にデータを洗い出してみると、娯楽において、映画という選択肢を選ぶ割合は10%程度でした(10回娯楽をする際に映画を選ぶのは1回)。

そこで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)はテーマパークのポジションを大きく変えるのです。

「映画のテーマパーク」から「世界最高のエンターテインメントを届けるテーマパーク」へと。

今のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、開業当初と大きく変わっているのは、映画一辺倒じゃなくなったことです。

提供しているコンテンツ自体も「ONE PIECE」「モンスターハンター」「進撃の巨人」「妖怪ウォッチ」「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド〜バックドロップ〜」「バイオハザード」「きゃりーぱみゅぱみゅ」「 AKB48」など、映画とは関係ない要素がたくさん出てきています。

これを聞くと「USJはコンセプトがぶれたか?」と思うかもしれませんが、全くそんなことはなくて、「世界最高のエンターテインメントを届けるテーマパーク」というポジションからすると、一貫性があるんです。

最高のエンターテインメントを提供することをストイックに追求する。

取り扱うコンテンツは、何でもいいというわけではなくて、世界最高のエンターテインメントを保証できる品質のものばかりです。

コラボレーションで言えば、「ONE PIECE」なんかは、累計発行部数が3億冊を超える日本では最高のアニメブランドと言えるでしょう。

この「ONE PIECE」とコラボしたショーは、世界初のプロジェクション・マッピングが3Dで飛び出してくる技術を取り入れたもので、ここでも「世界最高のエンターテインメント」を追求していることがよく分かります。

USJのONE PIECE

(画像出典:http://ure.pia.co.jp/articles/-/39716)

その他にもユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にはフライングダイナソーというジェットコースターがあるんですが、このアトラクションは、待ち時間12時間30分という日本記録を打ち出しました。笑

テーマパークの待ち時間は長くても2時間程度なのに、12時間待ちですよ。笑 これも、ジェットコースターにおいて「世界最高」を追求してきた結果です。

USJのフライングダイナソー

(画像出典:https://www.usj.co.jp/attraction/jurassic-park-the-flying-dinosaur.html)

その他にも、毎年、ハローウィンの時期になると開催されるのが、ハローウィンナイトです。パークの大部分を使って、スタッフが完璧な特殊メイクと変装によって、ゾンビなどになって、襲ってくるのもいつも話題になっています。

クオリティが高いですし、パークを使って、襲いかかってくるのもとても面白いアイディアで、「映画だけのテーマパーク」から脱却することによって生まれたコンテンツです。

USJのハロウィンイベント

(画像出典:http://news.mynavi.jp/news/2016/07/21/382/)

そして、総工費450億円をかけたハリーポッターエリアは、まさに世界最高峰のテーマパークエリアでしょう。

建築などの監修にはハリーポッターシリーズの著者のJKローリングさんが関わっており、細部のディテールまで完璧に表現されています。

USJのホグワーツ城

(画像出典:https://www.travelbook.co.jp/topic/632)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は「世界最高のエンターテインメント」を集めたセレクトショップというようなポジションになったのです。

もちろん、小さいお子さんが身長制限を気にせず、遊ぶことができる、ユニバーサル・ワンダーランドというエリアも設けて、ファミリー層にも最高のエンターテインメントを届け、ファミリー層の集客にも成功しています。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)には「世界最高のエンターテインメント」を楽しめるコンテンツがあり、そのコンテンツに非常に威力があるからこそ、お客さんがよりたくさん来るようになったのです。

ディズニーという完璧な世界観を一貫して打ち出しているテーマパークとは、全く違うポジションを取っています。

1-2.ポジショニングの事例|ハウステンボスの場合

ポジショニング戦略が上手くいった良ったものとして、テーマパークの例で言えば、長崎のハウステンボスなんかもそうですね。

ハウステンボスは1992年に「オランダ村」というポジションのテーマパークとしてオープンしました。

総工費は2300億円でディズニーランドよりも500億円多く投資しており、そのオランダの街を再現したテーマパークとしてのクオリティはピカイチでした。

当時は今と違って、個人で気軽に海外旅行に行けるような時代ではなく、「オランダ」という異国の世界が身近に体験できるということで、来場者数が爆発的に増えました。

ですが、海外旅行が当たり前になってしまった時代背景とともに、「オランダ村」というコンセプトは次第に受けなくなり、衰退の一途を辿ります。

ピーク時には年間来場者数は300万人を超えていましたが、ついに150万人を下回るまで落ちてしまい、2003年には一旦倒産します。

初期投資を回収できず、結局、18年連続赤字経営が続いてしまっていました。

しかし、こんな絶望的なハウステンボスの状況も、ポジショニングを変えたことによって一変します。

ポジションを変えたのは、HISの創業者の澤田秀雄さんです。

澤田さんが社長に就任してから、1年で黒字化、今となっては来場者数が、年間400万人まで膨れ上がり、施設内のキャパシティーの限界にまで迫る勢いで、伸び続けます。

では、澤田さんは、ハウステンボスのポジションをどう定義し直したのか?

まずはテーマパークの原点である、「オランダ村というコンセプトに囚われ過ぎず、まずはお客様にとって楽しいテーマパークを目指す」ということに着手します。

そのために、まずは本当に足を運びたくなるような魅力的なコンテンツを用意しました。

例えば、全国イルミネーションランキングで4年連続1位に輝いている「光の王国」なんかはこれにあたります。

他にも魅力的なコンテンツをたくさん用意して、来場者数は一気に伸びました。

ハウステンボスが凄いのは、実はこの先で、ただの「テーマパーク」というポジションすら脱却しようとしていることです。

澤田社長は「ハウステンボスを、東洋一の観光ビジネス都市にしたい」と語ります。

テーマパークではなく、都市を作りたいと言ってるんです。

テーマパーク、イベントの成否に結構左右する不安定なビジネスモデルです。要はヒットし続けるコンテンツを定期的に生み出し続ける必要があります。

なので、ハウステンボスは、テーマパークを核としつつ、ショッピングや、ビジネスや、医療など様々な機会に、ハウステンボスを訪れてもらうという構想なんですね。

「テーマパークだから行く」のではなく、買い物しにハウステンボスに行くものアリだし、ビジネスのために行くのもアリだし、健康や医療の最先端の技術を体験しに行くために訪れるのもありだということです。

こういうポジションでテーマパーク経営をしている競合で、こんなところは日本では他にありません。

この構想が本当に実現していけば、ハウステンボスは間違いなく、東洋一の観光ビジネス都市になるでしょう。

ハウステンボスについての詳しい解説は「マーケットインとプロダクトアウトとは?両者の違いを分かりやすく解説」という記事でしているので、ぜひこちらもご覧ください。

1-3.ポジショニングの意味とは

冒頭でも話したように、ポジショニングというのは「業界内における、自分(会社・商品)の独自のポジションを定義すること」です。

つまり、業界内においての自分のビジネスの独自の立ち位置(ポジション)を決めるということです。

今はどんな業種業界であれ、同じような選択肢に溢れています。街に出ても、ネットに繋いでも、同じように見える商品・サービスは溢れています。

だからこそ、何も考えずにビジネスをやってしまえば、必ず、同業他社と同じポジションでビジネスを展開していくことになってしまいます。

そうなってしまっては、集客に困るか、価格競争に巻き込まれていきます。

例えば、「ホームページ制作」というサービスを販売している例を考えてみましょうか。

「ホームページ制作」のサービスを提供している会社は世の中に無数にあります。その中でも、最近の流行りの一つに「格安ホームページ」というものがあります。

格安ホームページは、制作費5万円くらいの低価格で自分のホームページが持てるというようなサービスです。

ホームページの内容としては、集客のこととかは一切無視されていて、予め作成していたテンプレートにお客さんから依頼された画像と文章をはめ込むだけというものです。

デザインのクオリティに関しても、アマチュアレベルです。

そりゃあ、この予算でホームページを作るとしたら、人件費もかかりますし、制作会社が利益を出そうとすれば、仕上がりがそうなってしまうのも無理はありません。

格安ホームページは「今すぐ自分のホームページが持てる」というメリットがあるだけのものです。

仮に今から、価格は安いけど、案内用のサイトとしてしか機能しない「格安ホームページ」という同じようなサービスを始めたとしたら、上手くいくと思いますか?

絶対に無理ですよね?

一度、「格安ホームページ」と検索してみてください。同じようなデザインのクオリティー、同じような価格で提供している会社が無数に出てくると思います。

こんなレッドオーシャンに飛び込めば、完全に価格競争に巻き込まれていくことはになるのは簡単に理解できると思います。

というのも、もう既にそれと同じようなサービスは無数にあるので、お客さんからしたら、どこに頼んでも、仕上がりのクオリティは同じになるので、「安い方に頼む」ということになってしまって、価格競争に巻き込まれてしまうからです。

デザインのクオリティーが同じで、A社が5万円、B社が4万円、C社が3万円だったら、お客さんはC社に殺到して、そうすると、A社とB社はC社よりも、価格を下げないと集客できなくなるので、2万円代に落ち込んでいくというイメージです。

だから、もし価格競争に巻き込まれたくなければ、既存の「格安ホームページ」とは全く違うポジションを考える必要があるんですね。

例えば、ここに新たにD社として格安ホームページを販売するとして、「集客という観点から、ページに必要な文章や写真素材の準備まで一緒にやってくれて、ホームページ公開後も集客に繋がるようなホームページ運営を学ぶことができる会員制サイトをセットでつける」というサービスを販売すれば、C社より高くて、10万円でも売れると思います。

恐らく、他の「格安ホームページ」に頼んだお客さんは、ホームページを作るのに考える文章が面倒臭いとか、写真を準備するのが大変とか、集客に繋がらないんだったらホームページを作る意味がないとか、ホームページを作った後の運営方法がわからないという不満や悩みを持っている層が必ずいるからです。

業界の全体を見渡した上で、独自の価値あるポジションを見つけた上で、商品・サービスを考えていく、会社のポジションを考えるというのが、ビジネスをやっていく上で非常に重要になります。

2.ポジショニング戦略の方法

では、次に具体的なポジショニングの実践方法をお伝えしていきたいと思います。ポジショニングを決める具体的なステップは、以下の通りです。

  • リサーチ:業界のプレイヤーの詳細なリサーチ
  • ポジショニングマップの作成(分類):リサーチしたプレイヤーをグループ別に分類
  • 新しいポジションの創造:ニーズとウォンツにフォーカスして、新しい価値を創造
  • 新しいポジションの言語化:独自のポジショニングを言語化

この4つのステップを踏むことで、新しいポジショニングを築くことができるので、ぜひ、ご覧ください。

2-1.ポジショニング分析|ポジショニングSTEP1

まず、ポジショニングを決める際にやるべきことは、自分が勝負する分野の業界全体のリサーチです。

自分の立ち位置(ポジション)を決めるためには、そもそも自分以外のプレイヤーがどういうポジションを取っているのかということを見ることから始まります。

なので、まず調べてもらいたいのは、「その業界にはどんなプレイヤー(企業・個人)がいるのか」ということです。

大企業、中小企業、個人事業主、上手くいっている企業、上手くいっていない企業、昔からいる企業、新しく参入してきた企業、様々いると思います。

そういった自分の業界にいるプレイヤーをまずはピックアップしていきましょう。50社以上調べていけば、大体、その業界の傾向を網羅的に把握することができると思います。

プレイヤーの調べ方としたら、雑誌かネットで調べるのが手っ取り早い良いと思います。

自分のポジションを決めるためには、「自分の業界にはこんなプレイヤーがいて、それぞれこういう特徴がある」ということを語れるくらいになるまでになる必要があります。

プレイヤーを把握したら、次は、そのプレイヤーの分析に移ります。分析する項目は非常にシンプルで、「そのプレイヤー(商品・サービスも含めて)の価値は何か?」ということです。

上手くいっているプレイヤー、上手くいっていなさそうなプレイヤー、様々いると思いますが、「彼らがなぜお客さんから選ばれているのか?」もしくは選ばれていないんだったら「彼らがなぜお客さんから選ばれていないのか?」を見るということです。

商品・サービスを見るのが一番手っ取り早いです。その際に見ておくべきポイントとしては2つあります。それが以下の機能的価値と感情的価値です。

  • 機能的価値:その商品・サービスが提供する本質的な価値
  • 感情的価値:ストーリー、デザイン、キャラクターといった感情を動かす価値

お客さんが何か商品・サービスを選ぶ際には、機能的価値か感情的価値かに心を惹かれているからこそ、購買に至ります。

機能的価値というのは、その商品・サービスが提供する本質的な価値のことです。

「本質的」というと少し難しいかもしれませんが、「基本的」と解釈してもらっても大丈夫です。

例えば、味噌ラーメン屋さんがあるとしたら、その機能的価値というのは「味噌ラーメンの美味しさ」(素材や製法も含めて)になります。

そのお店が出している味噌ラーメンが非常に美味しければ、お客さんはたくさん来るというわけです。これが機能的価値のイメージです。

一方で、お客さんというのは機能的価値だけで選びません。感情を動かされることであっても、購買に至ります。

例えば、味噌ラーメン屋があるとしたら、極端な話ですが、味噌ラーメンの味は普通でも、そこの大将の人柄に惹かれて、足繁く通っているということもあります。

スナックなんかそういう場合多いと思います。端から見れば、「なんでこのお店に常連客がいっぱいいるのだろう?」と疑問に思うお店でも、そこにいるママの人柄に惹かれて通うお客さんというのはいるものです。

他にも、デザインなんかもそうですね。味噌ラーメンの味は普通でも、内装が非常にオシャレで、女性が一人でも入りやすいような店内空間になっていれば、それも選ぶ理由になります。

そういう観点からもぜひ、分析してみてください。

2-2ポジショニングマップの作成(分類)|ポジショニングSTEP2

そして、プレイヤーを調べ上げたら、次にそれを分類していきます。ポジショニング戦略の話をするときによく出てくるのがポジショニングマップというものです。

ポジショニングマップとは、簡単に言えば、その業界のプレイヤーを分類していく、マップのことです。

ポジションマップの作成方法は色々あるのですが、実践的に使うのであれば、以下のようなマップを作るのが一番良いです。

ポジショニングマップ

横軸を機能的価値に、縦軸を感情的価値に設定して、その上で、調べ上げてきたプレイヤーを配置していきます。

リサーチしている時点で、気づくと思うのですが、例えば50社調べたとしても、50社が全てばらばらのポジションを取っているわけではなくて、結構、被っているポジションを取っているプレイヤーばかりです。

ポジション戦略ではここに気づくことが非常に重要です。じゃあ、そのポジションは自分から取りに行かないほうがいいです。

このステップで重要なのは、ポジショニングマップを美しく作ることではなくて、業界にいるプレイヤーがどんなグループに大きく分類できるのかを把握することです。

2-3.新しいポジションの創造|ポジショニングSTEP3

そして、次に行うのは、自分自身の「新しいポジションの創造」です。

新しいポジションを考える際には「機能的価値」と「感情的価値」の2軸から考えるのが良いでしょう。

もちろん、一番、お客さんに選ばれる可能性があるのは、「機能的価値も感情的価値も両方が高い」というポジションです。これが、取れればベストです。

でも、そのポジションを取れるかどうかは、自社の状況によって変わってきます。

例えば、僕はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の機能的価値は非常に高いものだと思っています。というのも、世界中のテーマパークを探しても、あれだけの品質のアトラクションはほとんどないからです(世界中で数々の賞を受賞しています)。

でも、これはある程度の資本力がないと、こういった品質のアトラクションやテーマパークを建設することは無理です。

例えば、地方のマイナーな遊園地がハリーポッターのようなエリアを作るのは不可能でしょう。

だからこそ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にはない他の価値を見つける必要があります。感情的価値という軸で考えるのも一つですね。

重要なのは、どのポジションにいても、アプローチさえ間違えなければ、選んでくれるお客さんはいるということです。

例えば、最高技術のアトラクションは導入できなくても、小学生以下のファミリー層が一日中、全力で楽しむことができる遊園地なら、一気に集客を拡大することができるかもしれません。

重要なポイントは、何が価値になるのかということは、ターゲットによっても変わります。

例えば、ファミリー層に向けるんだったら、「小さい子供でも遊べるアトラクションがいっぱいある」ということが価値になりますが、逆に大学生などであれば、「最新技術を駆使したスリル満点のアトラクション」が価値になることもあります。

その上で、「どの機能的価値を高めて、押し出すことができるのか」「どういう感情的価値を高めて、押し出すことができるのか」ということをぜひ考えてみてください。

そうすると、お客さんに選ばれる、新しいポジションが見えてくると思います。「既存のものと被らないポジション」を取るというのが最低条件です。

2-4.新しいポジションの言語化とその例|ポジショニングSTEP4

そのポジションが見つかったら、次はそのポジションを言語化していきましょう。これはコンセプトを言語化するということです。

このコンセプトの言語化については、「一瞬で人を惹き付けるブランドコンセプトの作り方」という記事で詳しく解説しているので、こちらをぜひご覧ください。

新しいポジションを一言で集約する言葉ですね。例を紹介しておきます。例は随時追加していきます。

  • 星野リゾート(観光)

日本の観光をヤバくする

  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(テーマパーク)

世界最高をお届けしたい

  • SOUSOU(アパレル・雑貨)

新しい日本文化の創造

  • 近畿大学(学校)

固定概念をぶっ壊す

  • 餅匠しづく(和菓子)

お菓子で百薬の長を目指す

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ポジショニングのまとめ

では、最後に今回のまとめをしておきたいと思います。

今の時代は、多くの同じような商品・サービスが溢れている時代だからこそ、その中で選ばれるためには、自分の独自のポジションを取る必要があります。

ポジショニング戦略とは、「業界内における、自分(会社・商品)の独自のポジションを定義すること」です。

ポジション戦略を実践していくためには以下の4つのステップを踏む必要があります。

  • リサーチ:業界のプレイヤーの詳細なリサーチ
  • ポジショニングマップの作成(分類):リサーチしたプレイヤーをグループ別に分類
  • 新しいポジションの創造:ニーズとウォンツにフォーカスして、新しい価値を創造
  • 新しいポジションの言語化:独自のポジショニングを言語化

まず、自分の独自のポジションを決めていくためには、自分が勝負する業界にはどんなプレイヤーがどんなポジションを取っているのかを見ていく必要があります。

まずは、雑誌やネットを駆使した上で、最低でも50社以上のプレイヤーを見ていきます。

そして、その次に、そうしたプレイヤーが「なぜ、お客様から選ばれているのか?」ということを、「機能的価値」と「感情的価値」という二軸から分析していきます。

そして、次のステップとして、「機能的価値」と「感情的価値」の2軸でポジショニングマップを作成し、分析したプレイヤーを分類していきます。

分類していくと、その業界の大まかな傾向と、ポジションを把握できるので、それとは被らないポジションを考えていきます。

自分のポジションを考えるときにも、まずは「機能的価値」と「感情的価値」の2軸で考えます。

その際には重要なのは、何に価値を感じるのかというのは、ターゲットによって違うということです。

なので、自分が商品・サービスを届けたい相手から見た「機能的価値」と「感情的価値」を把握した上で、自分のポジションであれば、どこを高めていけるかを考えます。

そうすると、自分の独自のポジションが見えてくるので、それをキャッチコピーとして、言語化していきます。

では、今回は以上になります。お疲れ様でした!

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