2017.4.1 更新 | ブランディング戦略

ブランド戦略とは|成功事例から学ぶ効果抜群のブランディング手法

ブランド戦略とは|成功事例から学ぶ効果抜群のブランディング手法

どうも!ブランドクリエイターの中江です。今回は「ブブランド戦略とは|成功事例から学ぶ効果抜群のブランディング手法」というテーマでお話していきたいと思います。

さて、今回のテーマのブランド戦略というのは文字通りに言えば「自分(自社)がブランドになるための戦略」のことです。

ブランドというのは「自分(自社)が理想と思うお客さんにとっての究極の価値になる」ことです。

つまり、値段やデザインや機能ではなく、「この会社じゃないと嫌だ」とか「あなただから仕事をお願いしたい」と言われるようになる状態になることをブランドと言います。

この「ブランド」という言葉は、最近、頻繁に言われるようになったわけではないのですが、日に日に重要性は高まってきています。

ビジネスというのは、かつて以下の二つの時代がありました。

  • 「作れば、何でも売れる時代」
  • 「お客さんのニーズにフォーカスすれば、売れる時代」

まず、最初の「作れば、何でも売れる時代」ですが、これはいわゆる、 大量生産できる供給体制が整っていなかった時代 ですね。

例えば、エアコンなんてものは、めちゃくちゃ素晴らしい家電な訳ですよ。

暑い夏に涼しい空間を提供してくれ、寒い冬には暖かい空間を提供してくれる。

エアコンは1902年にニューヨークのウィリス・キャリアが印刷工場の製造工程を改善するために発明して、1950年代にアメリカの一般家庭で大ヒットしたんですが、戦後すぐとかだと、魔法のような機械だったと思います。

エアコンをどこかのメーカーが発売し始めた当初は、大量の人々に提供できる、供給体制はできていない訳です。

だから、イメージでいうと、 毎月10個しかエアコンを作れないのに、すぐに買いたいと思っている人が1000人いてる というような感じです。

じゃあ、どうなるかというと「作れば売れる」というようになります。

この時は「どうやって売ればいいのか?」なんていうマーケティングのことは考える必要はありません。

自分たちが「良い」と思ったものを作れば、基本的に売れるんですから。

でも、これがやがて、技術革新とかによって、エアコンが1500個作れるようになってくる。

エアコンを作るメーカーも最初はA社だけだったのが、B社、C社、D社、E社出てくる。

じゃあ、状況が変わります。

ここで初めて「お客さんから選ばれる」という必要性が生まれてきます。

そこで始めたのが「お客さんが必要なもの、欲しがっているもの」をリサーチして、提供するということです。

この前「マーケットインとプロダクトアウトとは?両者の違いを分かりやすく解説」という記事を書きましたが、マーケットインの発想ですね。

そりゃあ「お客さんが必要なもの、欲しがっているもの」を事前にリサーチしておけば、売れる訳です。

例えば、「暖房をつけると、乾燥しちゃうのが嫌なんだよね」という声なんかがアンケートでいっぱい集まったとします。

じゃあ、加湿付きのエアコンを売ってしまえば売れるという訳です。

でも、もっと、技術革新が進むと、さらに状況が変わります。

リサーチして作った「加湿付きのエアコン」を明日にでもすぐに真似されて、同じような商品が世の中に出回るようになります。

さらに供給できるエアコンは、最初は10個だったのが、1万個とかになってくる。

これによって競争は激化します。各メーカーこぞって、他のメーカーにはない機能をつけ出します。

「自動で掃除してくれますよ」「空気清浄もしてくれますよ」「マイナスイオンが出ますよ」「プラズマクラスターはシャープだけ」って具合に。

でも、それだけの種類のエアコンがあって、それぞれのメーカーが、素晴らしい機能をつけて、安いってなると、お客さんは選べなくなります。

どれも同じように見えるし、何を選べばいいのかわからない…安い方を買ってしまえ!

はい、価格競争の始まりですね。

こういう状態になってしまっては、ビジネスとしては泥沼にハマっていくわけです。

こうならないためには、「ブランド」というお客さんにとっての”際立つ何か”を手に入れていく必要があります。

ブランドができてしまえば、価格や、機能や、品質や、デザインという「部分」を踏まえて、乗り越えてお客さんから自動的に選ばれるようになります。

しかも、市場の価格なんてものは、一切無視して、高単価でも商品がどんどん売れていきます。

お客さんは列をなして、やってきます。

今回は、そんなブランド戦略をテーマに、「ブランド戦略の成功例から学ぶブランド戦略概論」についてお話していきたいと思います。

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1.ブランド戦略とは何か?

では、まずはブランド戦略についての基本的な考えについてお伝えしていきたいと思います。

1-1.ブランドとは

ブランドというのは冒頭にもお話したように 「自分(自社)が理想と思うお客さんにとっての究極の価値になる」 ということを意味しています。

「究極の価値になる」ということは、お客さんにとって自分(自社)が替えの効かない存在になるということです。

ブランドになると 「あなただからこそお願いしたい」とか「この会社だから選んでいる」 と言われるようになります。

もし、自分がやっているビジネスがこういうブランドという状態になれば、物凄く安定するようになります。

というのも、基本的に「替えの効かない存在」になることができるので、 値段が少々高かろうが、お客さんは列をなしてやって来る からです。

例えば、ブランドの成功例を一つあげるなら、今治タオルなんかそうですね。

普通の人だったらバスタオル1枚にいくらお金払います?

多分安いものだったら、500円程度で買えるでしょうし、今の時代だったら、100均ですらバスタオルくらい売ってると思います。

じゃあ、その今治タオルのバスタオルだったら、いくらなのかというと、2枚で1万1000円超えのバスタオル(すごいバスタオル)なんかが、一番の売れ筋商品だったりします。


画像出典:http://imabari-towel.jp/

単純計算、1枚で5500円なので、価格としては、普通の相場のバスタオルの11倍ですね。

でも、こんなバスタオルが飛ぶように売れているんです。これが分かりやすいブランドのイメージです。

タオルの価値って、基本的には、日常生活で支障なく、使えるレベルで言ったら、最悪、水分が吹き取れれば、OKなわけです。

例えば、バスタオルとして使用して、お風呂上がりに、拭いているにもかかわらず、全く水分を吸い取らないのだと困りますが、基本的に今、世の中に出回っているバスタオルというのは100円だろうがそんな事にはならないわけです。

ちゃんと水分は拭き取れて、支障なく使えるタオルが100円出回っているという現実は、業界としては競争が激化しまくっている証拠です。

「問題なく使えるバスタオル」が100円で出回っているんです。

ここで「どうやって違いを生み出すのか」を考えないと、どんどん価格競争に巻き込まれていくのは目に見えています。

今治タオルですら、佐藤可士和さんがブランディングに入る前には、海外の安いタオル製品が大量に日本に入ってきて、瀕死の状態だったんです。

でも、「ブランドを構築する」事によって、大きく売上を伸ばしました。

2006年の時には6000万円だった売上は、2013年には6億5000万円と実に10倍も伸ばしています。

これはひとえに「タオルだったら今治タオル以外あり得ない」という人がいっぱい生まれたからです。

1-2.ブランドを形成する基本的な価値

要は、今の同じような商品・サービスが氾濫している時代において「いかにしてお客さんから選ばれるのか」がビジネスにおいて重要なわけです。

お客さんから選ばれるというのは「価値がある」という状態です。

価値には、大きく分けて、2種類があります。機能的価値と感情的価値です。

この2つを伸ばすことができれば、お客さんに選ばれる可能性というのはグッと高まります。

  • 機能的価値:その商品が与える基本的な価値(どれだけ役に立つか)
  • 感情的価値:好きか嫌いか(コンセプト、ストーリー、キャラクター、デザイン)

先ほどの今治タオルというのは、この2種類の価値というのが非常に高いレベルにあります。

例えば、 今治タオルの機能的価値の最大の特徴というのは「吸水性」にあります。

つまり、いかに水分を吸い取れるかということですね。

この吸水性を保つために、今治タオルでは、独自の品質検査として「5秒ルール」というのを設けています。

5秒ルールというのは「タオル片を水に浮かべたとき、5秒以内に沈み始めるかどうか」というのを見るということです。

この品質基準をクリアしたものだけが、世の中に今治タオルとして出回るんですね。

こういったことが機能的価値ですね。その商品・サービスが提供する基本的な価値。

料理だったら、美味しいということやどんな素材を使っているかも機能的価値ですし、スマホだったらネットができるとか、電話ができるとか、電池持ちなんかも機能的価値に含まれます。

当然、ここが普通のものより、突き抜けていたら、お客さんに選ばれる可能性が高まるわけです。

そして、感情的価値というのは、「好き嫌い」という感情を揺さぶる価値のことです。

例えば、デザインなんかはそうですね。

同じような素材を使っていて、同じような吸水性を持っていて、同じような値段のタオルでも、デザインの良し悪しによって、選ばれる可能性というのは大きく変わります。

今治タオルというのはデザインの価値も非常に高いです。

うまく言葉にできないかもしれませんが「なんかいい」でしょ?

今治タオルは、これだけデザインの価値が高いので、贈答品なんかにもよく使われたりします。

100円のバスタオルじゃ贈答品にはなり得ませんが、今治タオルだったらそれだけの価値があるのです。


画像出典:http://imabari-towel.jp/

デザイン以外の感情的価値には、コンセプトやストーリーやキャラクターというものもあります。

コンセプトというのは、そのビジネスの世界観のことを意味します。

簡単に言うなら「どんなタオルなのか?」ということです。

そのビジネスは、コンセプトが良ければ、より多くの人を自分のビジネスに巻き込んでいくことができます。

コンセプトについては「コンセプトの意味とは|刺さるコンセプトを分かりやすく解説」の記事を参考にしてみてください。

また、ストーリーというのも選ばれる感情的価値として重要な要素になります。

例えば、 同じような品質の「タオル」を選ぶにしても、そのタオルの背景にこんなストーリーがあれば、選ばれる理由になる んです。

愛媛県今治市は、120年もの間、タオル産業が受け継がれてきたタオルの聖地。糸を撚る工場、糸を染める工場、タオルを織る工場など、200近くもの工場が集まる一大産地です。

「タオルの聖地で作られているタオルだなんて凄い!これ欲しい!」となるわけですね。簡単に言えば、これがストーリーの力です。

ストーリーについて、詳しく知りたいという人は、「ストーリーテリング実践法|ストーリーをビジネスで活かす方法」という記事をご覧ください。

また最後のキャラクターというのも、感情的価値として大きな選ばれる理由です。

キャラクターというのは、簡単にいうと「誰から買うか」ということですね。

例えば、同じようなホームページ制作という商品を販売しているとしたら、全く知らない人から買うよりは、親友のような深く信頼関係ができている人から買いたくなるということがあると思います。

これはキャラクターという感情的価値が高いからなんですね。

キャラクターについて、詳しく知りたいという人は、「パーソナルブランディングの意味とは|個人をブランド化する方法」という記事をご覧ください。

1-3.ブランドが織りなす一体感という”美”

ブランドというのは、分解すると、そう言った機能的価値と感情的価値に分けることができるんですが、それだけには還元できない「美しさ」を感じることができます。

僕がブランドだと思うは、例外なく「美しい」としか表現できないものを感じます。

この美しさというのは、機能的価値や感情的価値が、一定の方向性に向かって、一体感を持った時にしか生まれません。

この記事を書いているちょうど昨日、大阪の枚方市にある「茶肆ゆにわ」というお茶屋さんに行きました。

僕は、このお茶屋さんにもブランドと共通する「美しさ」を感じ、僕にとってのブランドになりました。

2000円のお茶(岩茶)を頂いたんですが、あれだけ美味しいと感じて、物凄くリラックスできたお茶は初めてでした。

お茶の美味しさというのは機能的価値です。僕はこれだけでは、ブランドにならないと思っています。

茶肆ゆにわさんは、それだけじゃないんです。

あのお茶屋さんを構成している、空間、家具、音楽、茶器、甘味、スタッフの方のお茶に対する想い、あそこを構成する全ての要素が、なんとも言えない、「美しさ」を生み出しているのです。

「神は細部に宿る」って言いますが、「美は細部に宿る」んです。

例えば、もし、どれだけお茶が美味しくても、茶器が汚れていたり、空間が汚かったりすると、それはブランドになり得ないんですね。

「ブランド」と似たような言葉に「差別化」という言葉がありますが、「ブランド」と「差別化」というのは明確に違います。

差別化というのは機能的価値や感情的価値を高めることで、「違いを生み出す」ということです。

もちろん、これだけでもお客さんに選ばれるという可能性は高まります。

例えば、同じような品質のタオルを選ぶにしても、デザインが良ければ、お客さんはそっちを選んだりするわけですね。

でも、「デザインの良さ」だけで選ばれている内はブランドにはなり得ません。

というのも、お客さんが「デザインの良さ」だけで選んでいるのであれば、より良いデザインが見つかった時に、お客さんはそっちに流れて言ってしまうからです。

これはブランドと言えませんよね。替えの効かない、究極の価値にはなっていないわけです。

僕は前に「ブランディングの本当の意味とは|ブランディングの手法と成功事例」という記事で、機能的価値と感情的価値以外に、自己表現的価値があると言いました。

そして、自己表現的価値は、「憧れ」を生むと。

この自己表現的価値というのは、一定の方向性を持って、機能的価値と感情的価値が複合的に絡み合い、掛け算のように織りなす美しさが生まれるところにしか存在しません。

ブランド戦略というのは、まさにこうした「美しさ」をいかに生み出していくのかという戦略に他なりません。

少し話が抽象的になってきたので、以下では、そのブランドという「美しさ」を体現しているブランド戦略の実践編をお伝えしていきたいと思います。

2.ブランド戦略の基本ステップ

では、続いてはブランド戦略の実践方法をご紹介していきたいと思います。

2-1.ブランド戦略STEP1|現状分析

まず、ブランド戦略の第一歩は、現状分析です。これをすっ飛ばすと、ブランドというのは作ることはできません。

現状分析というのは、今の自分(自社)がいる立場と、ブランドへの距離を明確にしてくれます。

ここの現状分析というのは、2つあって、内側の分析と、外側の分析があります。

内側の分析というのは、簡単に言えば、自分(自社)についての分析です。

一番、論点にした方がいいのは、以下のポイントです。

現在抱えている自分(自社)の問題・課題は何か?

ブランド戦略を実践したいという人は、恐らく、何かのきっかけがあって、ブランドを作りたいと思ったはずなんです。

例えば、今まで上手くいっていた従来通りのやり方を続けていたら、泥沼の価格競争にハマり出したとか、単純にお客さんが少しずつ減ってきたとか。

要は、現在抱えている自分(自社)の問題・課題が見つかり始めたからこそ、「ブランドを作りたい」という意識になったはずです。

まずは、一旦、ここを整理する必要があります。

というのも、 どんなブランドを作るのかによって、そういった今抱えている問題や課題を解決していくことができるかどうかが決まる からです。

また、現状分析というのは、内側だけではなくて、外側(業界)も分析する必要があります。

外側というのは、自社以外の要素。つまり、自分が勝負していく業界のことですね。

例えば、ケーキを販売していくんだったら、洋菓子業界をつぶさに見ていく必要があります。

というのも、ブランドというのは、それがユニークな存在であることが重要だからです。

これやらずに、ブランドを作ろうとすると「被ってしまう」ということが起こり得ます。

例えば、今から後追いで、今治タオルと同じような商品を、同じような価格で、同じようなコンセプトで、同じようなデザインで販売したとしても、それはただの今治タオルの劣化コピーにしかなり得ません。

「被る」とブランドになり得ないわけですね。

だからこそ、まずは、自分が勝負する業界を以下のポイントを意識しながら、分析するといいですね。

  • 自分が勝負する業界にはどんなプレイヤーがいるのか?
  • そのプレイヤーはどんな商品・サービスを販売しているのか?
  • それらのプレイヤーの優位性は何か?

最初に、自分が勝負する業界にはどんなプレイヤーがいるのか?ということですね。

まずは、上手くいっているプレイヤーを見つけることです。

もしかしたら、その業界で確固たるブランドを築き上げているプレイヤーもいてるかもしれませんし、最近、ヒット商品をよく飛ばして、売上が伸びているプレイヤーもいるかもしれませんね。

そして、現状分析で重要なのは、彼らがなぜ、上手くいってるのか?ということを考えることです。

どんな商品・サービスを販売しているのかということや、どういったことが優位性となっているのか?ということを見ていくだけでも、自分(自社)のブランド構築の参考になります。

また、その分析が終わったら、上手くいっていないプレイヤーがたくさんいると思うので、 なぜ、そのプレイヤーは上手くいっていないのかを分析することも重要 です。

数的にはこっちの方が多いです。ここを分析していくと、失敗しているプレイヤーと同じ轍を踏まなくなります。

まずは、このステップをやっていきましょう。

2-2.ブランド戦略2ndステップ|コアの把握

さて、現状分析が終わった後は、コアの把握です。

ブランドを作るために絶対に外すことができないのが、ブランドコンセプトの構築です。

つまり「どんなブランドを目指すのか?」という方向性ですね。

僕は、ブランドを作るには「こんなブランドにしたい」という熱い想いが、まず最初に必要だと考えています。

コアの把握というのは、「こんなブランドにしたい」という思いを、漠然とイメージとして固めていくという作業になります。

ここを考えるときのポイントは以下の5つを問いかけてみてください。

  • 誰に届けたいのか?
  • どんな商品・サービスを提供していきたいのか?
  • どんな場面で買ってもらいたいのか?
  • どうなってもらいたいのか?
  • なぜ、自分(自社)こそがそれを一番に提供できると考えるのか?

まず、「誰に届けたいのか?」ですが、ブランドというのは万人にとってのブランドというのはあり得ないわけです。

「誰かにとっての究極の価値」というのがブランドです。

今治タオルですら、僕にとってのブランドではあるかもしれませんが、それが自動的に他の人にとってのブランドであるということにはなりません。

要は、シャネルが好きな人もいれば、ルイ・ヴィトンが好きな人もいる。そういう性質がブランドです。

だからこそ、まずはその自分(自社)がブランドになりたいと思えるお客さんの像を固めるということですね。

ここをある程度、固めておくことで生み出す、商品・サービスもメッセージも響くものが作れるようになります。

「どんな商品・サービスを提供していきたいのか?」ですが、これは一つ一つの商品企画というよりも、全体の商品・サービスの方向性ですね。

ここを決めるときのポイントなのは「どこに独自の強み」を持たせるのかということです。

これは前の章でお話しした、機能的価値と感情的価値を思い浮かべるといいと思います。

ブランドにしていくためにはそれぞれの価値を高めていく必要がありますが、 重要なのはどうやって、どういう方向性でそれぞれの価値を高めていくのか ということを決めることです。

ここで最初の「現状分析」が生きてくるわけです。

現状分析をすることによって、同じような機能的価値・感情的価値の高め方を外すことができるんですね。

そして、商品・サービスの方向性を決めるにあたって、次に重要なのが、 「どんな場面で使ってもらいたいのか?」 ということを考えることです。

例えば、お寿司屋さんをするにしても、「家族で日曜日に気軽に行けるような」お店にするのか、それとも「恋人同士がデートで使えるような」お店にするのか、「ビジネスの相手と関係性を深めるために使えるような」お店にするのか、それぞれ違うわけです。

この「どんな場面で使ってもらいたいのか?」を決めることで、ブランドの方向性というのがぼんやりと定まります。

次に「どうなってもらいたいか?」ですが、これはそのビジネスの理想世界です。

この理想世界というのはブランドを形成するための根源にあたります。

理想世界というのは、つまり、その人(会社)を通じて、 お客さんをどんな理想の未来に連れて行きたいのか ということです。

僕は、ビジネスというのは理想世界にお客さんを連れていくために存在していると思っています。

ブランドクリエイターとしての僕の理想世界というのは、「ブランドになってもらいたい」っていうことが一番のコアとして存在しています。

この熱い想いというのは、そのビジネスの節々に伝道しますし、お客さんに伝わります。

だからブランドというのは、ただ単に「お金を儲けたい」とか「売上を上げたい」というような思いでは成り立たないということです。

ブランドというのは、1日や2日でできるものではありません。数年以上かけて築き上げていくものです。

事業をそれだけ継続させる原動力になるのが、お客さんに「こうなってもらいたい」という想いなんですね。「お金儲けしたい」というのでは、その情熱は続きません。

そして、最後になぜ、自分(自社)こそが一番にそれを提供できると考えるのか?ですね。

提供していく商品・サービスの方向性というのは、漠然と見えてきたと思います。

じゃあ、なぜ、自分(自社)こそが一番にそれを提供できるのか?を考えていく必要があります。

ブランドというのは、No.1な訳です。それを提供することにおいて、自分(自社)こそが、No.1な理由がいります。

同じ業界には他にもプレイヤーはいる訳です。

そんな他のプレイヤーがいる中でも、「なぜ、自分(自社)こそが一番にそれを提供できるのか?」があると、強力なブランドを築き上げることができます。

2-3.ブランド戦略3rdステップ|コンセプトの表現

では、2ndステップでブランドのイメージが固まったら、それを具体的な形で表現するというステップに移行します。

まず、最初にやるべきなのは「ブランドコンセプトの言語化」です。

つまり、コンセプトを一言でまとめるということですね。コンセプトというのは、そのブランドを表す言葉を一言で表現するというイメージですね。

例えば、リストアップすると、こんなものがコンセプトの表現になります。

  • 「iPhone」(Apple)
  • 「28プロジェクト」(品川女子学院)
  • 「世の中から卒業をなくす」(スクー)
  • 「紅茶の楽しみを本当の意味で「文化」にする」(ムレスナティー)
  • 「固定概念をぶっ壊す」(近畿大学)
  • 「世界最高をお届けする」(USJ)
  • 「お菓子で百薬の長を目指す」(餅匠しづく)

単語でもいいですし、短い文章でも良いと思います。

とにかく短くて、まとまり感のある言葉を作成することを意識してみてください。

コンセプトを言語化する際には、以下の問いかけをしてみると、まとまりやすくなります。

  • その商品・ビジネスが目指す理想の状態は何か?:例-ノマド(雇われない生き方)「英語で遊牧民」
  • その商品・ビジネスのコアは何か?:例-iPhone(i=internet,individual,instruct,inform,inspire)
  • その商品・ビジネスが生み出す常識は何か?:例-GOPAN(ゴパン)「ご飯からパンができる」
  • その商品・ビジネスのオリジナリティを示すものは?:例-吸引力の落ちないただ一つの掃除機(ダイソン)

コンセプトの言語化については「一瞬で人を惹き付けるブランドコンセプトの作り方と例」で詳しく話したので、こちらをご覧ください。

そして、コンセプトができたら、それを具体的なプロダクトとして表現できるといいですね。

商品でもいいですし、Webサイトといったデザインに落とし込むことも有効です。

ブランドを構築するということを考えたら、お客さんがそのブランドと触れ合うタッチポイントは、全てそのコンセプトの通りに、設計する必要があります。

タッチポイントというのは、例えば、お茶屋さんをやるんだったら、内装と外装、茶器、椅子、机、お茶、茶菓子、ロゴ、音楽、Webサイト、スタッフ(服装、応対)など、お客さんと触れ合う場所、全てです。

ここをコンセプトに基づき、一貫させることによってブランドという”美”が生まれます。

3.ブランド戦略のまとめ

では、最後に今回のまとめをしておきたいと思います。

まず、ブランドというのは 「自分(自社)が理想と思うお客さんにとっての究極の価値になる」 ことです。

ブランド戦略というのは、価格や、品質や、デザインや、機能といったものを超えて、 「あなただから」「この会社だから」と選んでもらえるようにするための戦略 のことです。

そして、ブランドを形成する価値として、機能的価値と感情的価値があるとお話しました。

機能的価値というのは、その商品・サービスが基本的に提供する価値であり、感情的価値というのは「好き嫌い」という価値観に訴える価値だとお話しました。

ブランドというのは、この機能的価値と感情的価値が、一定の方向性(コンセプト)を持って、複合的に絡み合った時に”美”(自己表現的価値)として生まれます。

そして、具体的なブランド戦略のステップとして以下の3つを紹介しました。

  • 現状分析:内側と外側の分析
  • コアの把握:ブランドイメージの形成
  • コンセプトの表現:コンセプトの言語化

まず、現状分析は内側と外側の分析があるということをお話しました。

内側の分析というのは自分(自社)の分析で、外側の分析というのは業界の分析のことです。

この2つを分析することによって、現在地と目指すべきブランドの方向性が固まります。

そして、次にコアの把握です。

コアの把握というのは 「どんなブランドを目指すのか? 」を決めるというステップですね。

考えるポイントとしては以下の5つを紹介しました。

  • 誰に届けたいのか?
  • どんな商品・サービスを提供していきたいのか?
  • どんな場面で買ってもらいたいのか?
  • どうなってもらいたいのか?
  • なぜ、自分(自社)こそがそれを一番に提供できると考えるのか?

そして、最後にコンセプトの表現です。

これはまずは、ぼんやりと固まったブランドイメージを「言葉」として表現します。

単語でも短い文章でも構いません。

言語化する際のポイントは以下の通りです。

  • その商品・ビジネスが目指す理想の状態は何か?:例-ノマド(雇われない生き方)「英語で遊牧民」
  • その商品・ビジネスのコアは何か?:例-iPhone(i=internet,individual,instruct,inform,inspire)
  • その商品・ビジネスが生み出す常識は何か?:例-GOPAN(ゴパン)「ご飯からパンができる」
  • その商品・ビジネスのオリジナリティを示すものは?:例-吸引力の落ちないただ一つの掃除機(ダイソン)

そして、言葉が生まれたら、あとは、お客さんとのタッチポイントになる箇所を全てデザインしていきましょう。

コンセプトという一定の方向性に基づき、全ての要素が複合的に絡み合うことでブランドという”美”が生まれます。

では、今回は以上になります。

お疲れ様でした!

                       

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